ハミガキ剤には、薬用成分や有効成分といった成分が配合されていますが、具体的にどんな効果があるか考えたことはありますか?今まで気にしたことがない方もいると思いますし、成分表示を見たことすらない方もいると思います。
成分には歯や歯茎の健康を守る成分やブラッシングによって効率よく白い歯を手に入れることができるものなど製品によって様々な効果効能を期待することができます。ですから、これらの成分の特徴を理解することで自分が今ハミガキ剤に求めている効果を手に入れることができるのです。
ハミガキ剤の種類と特徴
- ペースト
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- ハミガキ剤の中でもペーストタイプの製品が最も多く販売されているため選べる種類も数多く存在します。
- 研磨剤や清掃剤が配合されている製品が多く、汚れを除去する効果は高いですが歯のエナメル質を傷つける可能性があります。
- 発泡剤が配合している製品が多く、泡立ちが良いですがその分磨き残しを起こしやすいです。
- ジェル・液体
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- 研磨剤が配合されていない製品が多く、歯のエナメル質を傷つける可能性が少ないです。
- 発泡剤が配合されていない製品が多く、泡立ちは悪いですがその分磨き残しが少ないです。
- ジェルタイプの場合は、ジェル特有の粘度で有効成分が歯や歯茎に滞在しやすいです。
- 液体タイプの場合は、口内の隅々まで有効成分が行き渡りやすい特徴があります。
- パウダー
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- 歯の成分とほぼ同じ成分であるアパタイトが高配合されている製品が多く、歯の表面の細かな傷を埋めて滑らかにし、汚れの付着を防ぎやすい歯を作ります。
- アパタイトは粒子が細かいため、歯の表面の細かな溝に入り込みやすく、特有の吸着力で汚れを除去する効果が高いです。
- 炭が配合されている製品は、炭特有の吸着力と消臭力で汚れの除去と口臭を予防します。
- マウスウォッシュ
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- 忙しい時に口をすすぐだけで済む洗口液と、口をすすいでからブラッシングする液体ハミガキの2種類があります。
- 洗口液は口をすすぐだけで済むので、時間が無い時などに手軽に使用できます。
- 液体ハミガキはブラッシングすることを前提としていおり、着色汚れの除去、歯垢・歯石を除去する効果に優れています。
- 製品を使用した後に口をすすぐ必要がないマウスウォッシュもあり、有効成分が洗い流されることがなく、しばらくの間口内に滞在し歯と歯茎の健康をサポートします。
- シート
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- シートを貼るだけで完了するわけではなく、シートを貼り数十分間放置した後にブラッシングをすることを前提としています。
- 数十分間放置することで有効成分が歯に染み渡り、ブラッシングによる汚れの除去効果を高めます。
- 主に歯が本来持つ白さを取り戻すためのホワイトニングケアに使用されます。
- LED照射
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- 有効成分の配合された薬剤の効果とLED照射の光触媒の効果を利用して、歯の表面に付着したステインを浮かび上がらせ、ブラッシングにより汚れを除去し歯を白く導きます。
- 薬剤の種類によっては殺菌効果を期待できるものもあり、虫歯や口臭の予防もできます。
- 主に歯が本来持つ白さを取り戻すためのホワイトニングケアに使用されます。
医薬品、医薬部外品、化粧品の違い
ハミガキ剤は大まかに分類すると医薬品、医薬部外品、化粧品の3つに分類できます。これらは「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」の医薬部外品の定義(法第2条第2項)によって以下の様に定義されています。
- 医薬品とは?
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第二条 この法律で「医薬品」とは、次に掲げる物をいう。
一 日本薬局方に収められている物
二 人又は動物の疾病の診断、治療又は予防に使用されることが目的とされている物であつて、機械器具等(機械器具、歯科材料、医療用品、衛生用品並びにプログラム(電子計算機に対する指令であつて、一の結果を得ることができるように組み合わされたものをいう。以下同じ。)及びこれを記録した記録媒体をいう。以下同じ。)でないもの(医薬部外品及び再生医療等製品を除く。)
三 人又は動物の身体の構造又は機能に影響を及ぼすことが目的とされている物であつて、機械器具等でないもの(医薬部外品、化粧品及び再生医療等製品を除く。)
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律より - 医薬部外品とは?
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2 この法律で「医薬部外品」とは、次に掲げる物であつて人体に対する作用が緩和なものをいう。
一 次のイからハまでに掲げる目的のために使用される物(これらの使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
イ 吐きけその他の不快感又は口臭若しくは体臭の防止
ロ あせも、ただれ等の防止
ハ 脱毛の防止、育毛又は除毛
二 人又は動物の保健のためにするねずみ、はえ、蚊、のみその他これらに類する生物の防除の目的のために使用される物(この使用目的のほかに、併せて前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物を除く。)であつて機械器具等でないもの
三 前項第二号又は第三号に規定する目的のために使用される物(前二号に掲げる物を除く。)のうち、厚生労働大臣が指定するもの
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律よりハミガキ剤は医薬部外品がオススメ!ドラッグストアなどで市販されているハミガキ剤には「医薬部外品」と表示されてものを目にする機会が多く見られます。医薬部外品のハミガキ剤は、ある一定の効果が厚生労働省から認められている成分が配合されているので、様々な口腔トラブルを予防する効果を期待できます。
- 化粧品とは?
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3 この法律で「化粧品」とは、人の身体を清潔にし、美化し、魅力を増し、容貌ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つために、身体に塗擦、散布その他これらに類似する方法で使用されることが目的とされている物で、人体に対する作用が緩和なものをいう。ただし、これらの使用目的のほかに、第一項第二号又は第三号に規定する用途に使用されることも併せて目的とされている物及び医薬部外品を除く。
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律より
ハミガキ剤の主な成分と成分表示のルール
ハミガキ剤の主な成分
ハミガキ剤の成分には様々なものが含まれていますので一例を以下に記します。
- 研磨剤、清掃剤
- 発泡剤
- 分散剤
- 着色剤
- 香味剤
- 甘味剤
- 保存料
- 防腐剤
- 薬用成分、有効成分
- 湿潤剤
- 粘結剤 など
これらのうち研磨剤・清掃剤は汚れの除去に効果的な役割を持っており、発泡剤は歯磨きの際に泡立ちを良くします。薬用成分・有効成分は歯を白くするための成分や、歯と歯茎の健康を守る成分が配合されており、口内環境を整えるためにそれぞれとても重要な役割を担っています。他の成分もハミガキ剤を安全かつ使いやすい製品として製造するために必要なものばかりです。
成分表示のルール
ハミガキ剤の成分表示にはある一定のルールが存在します。基本的には、成分の量の多いものの順に成分の名称を表示することになっています。つまり、各成分の効果を知った上で成分が表示されている順番を見ることで、そのハミガキ剤がどのような効果を期待できるのか推測できるようになります。
他には、成分を表示しなくてもいい場合や順不同で表示してもいい場合などの成分表示についてのルールはありますが、これに該当する場合とは、効果効能にほとんど関与しないごく少量の場合に限るので意識する必要はないといえます。
研磨剤について
研磨剤の効果
研磨剤は歯の表面に付着したステインを削って落とすため、ステイン除去に対して大きな効果を期待できます。ですがその研磨性により歯のエナメル質を傷つけてしまう恐れがあります。エナメル質が傷つくと細かい溝に着色の原因となる色素が入り込み黄ばみの原因となります。ですが、エナメル質は虫歯の発生を防ぐ重要な役割を持っていることから研磨剤の使用は一長一短であるといえます。
なお、ハミガキ剤の成分表示に研磨剤と表示がなくても清掃剤として成分が配合されていることがあります。主観ですが、歯に研磨剤は良くないという考えは割と世の中の常識になっており、成分表示に研磨剤と書くと売れ行きが悪くなるので清掃剤にしてるのではないかと勝手に思ってます。
とはいっても研磨剤入りハミガキ剤は絶対的に使ってはいけないわけではありません。研磨剤入り歯磨き剤は、歯の健康を維持・改善するため、口内環境を維持・改善するため、様々な成分の中のごく一部として配合されているわけで、決して歯を傷つけるために配合しているなんてことはありません。成分表示を見ても大半のハミガキ剤に配合されていことが見てわかりますし、特に気にせず使用している方のほうが大多数でしょう。
そもそもエナメル質は人体の中では最も硬質と言っても過言ではないほどの硬さを持っているのでそう簡単に傷がつくわけではありません。しかし普段は硬いエナメル質ですが食後は口内が酸性になりエナメル質は柔らかく傷つきやすい状態になりますので、この状態で研磨剤入りハミガキ剤を使用することはオススメできません。なお、エナメル質の硬度は年齢によって異なり子供や高齢者は比較的柔らかい傾向にあります。
エナメル質は、歯の健康を維持するのにとても重要な役割を持っています。専門用語でいう「脱灰」と「再石灰化」を日々繰り返しています。簡単に言うと、溶けては修復してを日々繰り返しているということです。修復するより溶け出すスピードが早ければ虫歯になるので、エナメル質を傷つける可能性がある行為はできるだけ控えるべきだということです。
研磨剤入りハミガキ剤の使用は、これらのメリットとデメリットをよく考えたうえ個人で判断すればいいのですが、歯を直接研磨する製品の使用だけは絶対やめたほうがいいです。歯を擦るだけで汚れが取れて歯が白くなると謳っている類の商品のことです。
研磨剤や清掃剤としての配合されている成分
ハミガキ剤に含まれる研磨剤は清掃剤と名を変えて配合されていることは前述しましたが、具体的には一体どのような成分のことを指しているのかの一例を以下に記します。あまり気にしすぎることではありませんが、ハミガキ剤を購入する上で参考にしてみてください。
- サンゴパウダー
- シリカ
- ゼオライト
- パール
- ヒドロキシアパタイト(ハイドロキシアパタイト)
- ピロリン酸Ca
- ベントナイト
- リン酸2ca
- リン酸2ca二水和物
- リン酸水素ナトリウム
- 含水シリカ
- 結晶セルロース
- 高機能シリカ
- 酸化チタン
- 重質炭酸Ca
- 炭酸Ca
- 炭酸水素Na
- 炭粒
- 軟質炭酸Ca
- 軟質炭酸Mg
- 無水ケイ酸
- 無水ケイ酸A
- 顆粒
発泡剤について
発泡剤をハミガキ剤に配合することで口中をよく泡立たせ、また口内を爽快にする効果を期待できます。しかし発泡剤自体に汚れを落とす効果はなく、泡が立つほど汚れを落とすということではありません。
発泡剤のデメリットとしては、口中に泡が広がってよく磨けているとの感覚に陥り、磨き残しが発生しやすいことが挙げられます。泡立つことで口内の隅々まで泡が行き渡りますが、ブラッシングをしないことには汚れを除去することができません。
発泡剤の成分としては以下の成分が主流ですが発泡剤に良し悪しはありません。使用感の違いもよほどの精通者ではないと分からないのではと思います。
- ラウリル硫酸Na
- ラウロイルメチルタウリンNa
- ラウロイルサルコシンNa
- POE硬化ヒマシ油
- POE水添ヒマシ油
- POEステアリルエーテル
- ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン
- アルキルカルボキシメチルヒドロキシエチルイミタゾリニウムベタイン
- 石けん素地
- ショ糖脂肪酸エステル
- コカミドプロピルベタイン
- ココイルグルタミン酸2Na
歯を白くする成分と歯の白さを維持する成分
市販されているハミガキ剤などの歯のホワイトニング製品は、ブラッシングによって歯を白くする方法を採用しています。つまり、ブラッシングをすることによって歯の表面に付着したステインを取り除くことができ、歯が本来持つ白さを取り戻すということです。
ステインの効果的な除去方法は、ハミガキ剤に配合されている研磨剤や清掃剤といった成分と一緒にブラッシングをすることで効果的にステインを除去できます。また、ハミガキ剤に配合されている有効成分がステインを分解し浮かび上がらせることでもステインを効果的に除去できます。
ステイン除去に効果的な成分
ステイン除去には、研磨剤・清掃剤の種類で前述した成分が効果的ですが、以下の成分は、ステインを分解し浮かび上がらせる効果やステインを吸着して除去しやすくする効果などがあります。その後にブラッシングをすることで、効率よくステインの除去が可能になります。
タバコのヤニによるステインを溶解して除去しやすくする成分
- ポリエチレングリコール※(PEG)(別名:マクロゴール)
- ポリビニルピロリドン(PVP)
※ポリエチレングリコールには表示名の後ろに数字が書いてあり、これは分子量を指します。表示名が「ポリエチレングリコール200、マクロゴール200」となっていれば簡略名は「PEG-4」と表示され、同様に「300⇒PEG-6」「400⇒PEG-8」「600⇒PEG-12」「1000⇒PEG-20」「1500⇒PEG-30」「1540⇒PEG-32」「4000⇒PEG-80」「6000⇒PEG-120」「20000⇒PEG-400」となります。
歯の表面に付着したステインを浮かび上がらせて除去しやすくする成分
- ポリリン酸Na(別名:三リン酸5Na)
- ピロリン酸Na
- メタリン酸Na
- ポリアクリル酸Na
- ポリアスパラギン酸(略称:PPA)
- DL-リンゴ酸
- フィチン酸液
ステインなどの汚れを吸着し除去しやすくする成分
- ハイドロキシアパタイト(ヒドロキシアパタイト)
- 炭
- ゼオライト
歯垢を分散・分散させ汚れを除去しやすくする成分
- デキストラナーゼ(DEX)
- テトラデセンスルホン酸Na(TDS)
歯の表面の細かな溝を埋める成分
歯の表面はエナメル質を呼ばれる組織で覆われています。エナメル質は酸に溶けやすい性質があり、酸により歯のエナメル質からリン酸カルシウムが溶け出す現象を脱灰(だっかい)といいます。逆に、脱灰により溶け出されたリン酸カルシウムが、唾液によって再び歯に取り込まれて組織を形成すること再石灰化といいます。
再石灰化を促進し歯の表面の細かな溝を埋めることで汚れや色素などが入り込む隙間がなくなり、汚れや色素が付着することを予防する効果を期待できます。また再石灰化により歯の表面をツルツルになり、光の反射を利用して歯を白く綺麗に見せる効果も期待できます。
- フッ素
- ヒドロキシアパタイト(ハイドロキシアパタイト)
歯をコーティングする成分
歯をコーティングするとは、エナメル質をコーティングし歯の表面へのステインの付着を防止したり、歯石の沈着を防止することです。
- ポリリン酸Na
- メタリン酸Na
- DL-リンゴ酸
- スルホコハク酸(C12-14)パレス-2Na
歯と歯茎の健康を守る薬用成分・有効成分
エナメル質を強化する成分
先ほど歯の表面の細かな溝を埋める成分としてフッ素やヒドロキシアパタイトにはエナメル質の再石灰化を促進させる効果があることは前述しましたが、これはつまりエナメル質を強化することでもあります。
実は、エナメル質は歯の健康を維持するために重要な役割を果たしています。脱灰が進みエナメル質が溶け出されていくと次第に虫歯が進行していきます。逆に言えば、再石灰化を促進し脱灰よりも早く修復することができれば、虫歯の進行を防止することになります。
- フッ素
- ヒドロキシアパタイト
フッ素
フッ素には主に3種類あり、エナメル質の再石灰化を促進しエナメル質を強化する効果と虫歯の原因菌の活動を抑制し酸を作りにくくする効果があり、また虫歯を予防する効果も期待できます。
- フッ化ナトリウム(NaF)
- モノフルオロリン酸ナトリウム(MFP)
- フッ化スズ(SnF2)
ヒドロキシアパタイト
ヒドロキシアパタイトにも再石灰化を促進しエナメル質を強化する効果と虫歯を予防する効果を期待できます。また、粒子が細かく高い吸着力を持つが特徴でステインを吸着し歯を白く導きます。
口内を殺菌する成分
口内には虫歯の原因となる菌を始め、700種類以上の菌がいると言われています。これらは虫歯や歯肉炎・歯周病といった症状から口臭などといった様々な口腔トラブルの原因となります。
- セチルピリジニウムクロリド(CPC)(別名:塩化セチルピリジニウム、セチルピリジニウム塩化物水和物)
- イソプロピルメチルフェノール(IPMP)(別名:o-シメン-5-オール)
- ラウロイルサルコシンNa(LSS)
- 塩酸クロルヘキシジン
- トリクロサン
- ヒノキチオール
口内の炎症を抑制する成分
以下の成分は、口内の細菌感染や歯周病・歯肉炎、歯茎に傷がついたことによる腫れや出血など、抗炎症作用に期待できます。
- β-グリチルレチン酸
- グリチルリチン酸2K(グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ニカリウム)
- グリチルリチン酸モノアンモニウム(MAG)
- トラネキサム酸
- アラントイン
- サリチル酸メチル
歯茎を引き締める成分
歯茎を引き締めるとは、タンパク質を変性させ組織や血管を縮めることをいい、これを収斂作用といいます。組織や血管を縮めることで出血を抑えたり痛みを抑える効果を期待できます。また、歯茎が下がってきた時、痩せこけてきた時、腫れてきた時、歯がぐらつく時などには収斂作用によって歯茎を引き締めることができます。なお、以下の成分は歯茎の引き締め効果に期待できる成分です
- アラントイン
- ヒノキチオール
- 塩化ナトリウム
血行を促進し活性化させる成分
血行を促進することで、歯茎を活性化させ組織の修復を図ることができます。また、免疫力がアップし歯肉炎・歯周病の予防や症状の緩和に期待できます。歯茎が下がった時、血色が悪くなった時、歯肉炎・歯周病が気になる時などに効果を発揮します。なお、以下の成分は血行促進作用に期待できます。
- 酢酸トコフェロール
- 塩化ナトリウム
知覚過敏を緩和する成分
以下の成分には知覚を鈍麻させる作用があり、歯がしみるのなどの知覚過敏症状を緩和する効果を期待できます。
- 硝酸カリウム
- 乳酸アルミニウム
なお、硝酸カリウムは即効性に期待でき、乳酸アルミニウムは持続性に期待できるという特徴があります。
使用上注意が必要な成分
歯の表面を覆っているエナメル質は酸によって溶け出すことは前述しましたが、それはつまり酸性の成分が配合されているハミガキ剤には歯を溶かす可能性があるということです。酸性の強い飲食物を口にすることも同じことが言えますが、口にするものの量や頻度によっては脱灰の速度が早くなり、口腔トラブルの原因となりますので注意が必要です。
また、防腐剤として配合されているパラベンやプロピレングリコール(PG)などは、人体に対しての影響がほとんど無害ではありますが、これらを配合せずに子どもからお年寄りまでより安全に使用できるように工夫された製品もあります。毎日の使うものだからこそ、そういった細かな気配りが健康に生きる秘訣なのかもしれません。
厚生労働省が効果を認めている薬用成分
以下の成分は、厚生労働省ホームページ(薬用歯みがき類製造販売承認基準について)を引用したものです。ハミガキ剤を購入する際には是非参考にしてみてください。
薬用歯みがき類に関する効能又は効果をうたう医薬部外品のうち、「ブラッシングを行うもの」、「口に含みすすいで、吐き出した後ブラッシングを行うもの」及び「洗口のみを行うもの」には、本基準が適用されること。
- 歯周炎(歯槽膿漏)の予防
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アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、ε-アミノカプロン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アルクロキサ、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルジオキサ、エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、塩化ナトリウムグリチルリチン酸、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸、塩酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、酢酸DL-α-トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル、塩化リゾチーム、リゾチーム塩酸塩、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(8~10E.O.)
- 歯肉(齦)炎の予防
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アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、ε-アミノカプロン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アルクロキサ、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルジオキサ、エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、塩化ナトリウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸二カリウム、酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、セチルピリジニウム塩化物水和物、デカリニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム、ベンザルコニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム液、ベンザルコニウム塩化物液、塩化ベンゼトニウム、ベンゼトニウム塩化物、塩化ベンゼトニウム液、ベンゼトニウム塩化物液、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、塩酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、トリクロサン、アスコルビン酸、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、塩酸ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、酢酸DL-α-トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル、塩化リゾチーム、リゾチーム塩酸塩、銅クロロフィリンナトリウム、ヒノキチオール、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、(8~10E.O.)
- 歯石の形成及び沈着を防ぐ
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ゼオライト、ピロリン酸二水素二ナトリウム、ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム(結晶)、水ピロリン酸ナトリウム、ピロリン酸四ナトリウム(無水)、リン酸一水素ナトリウム、リン酸水素ナトリウム水和物、リン酸水素二ナトリウム(結晶)、リン酸三ナトリウム、リン酸三ナトリウム(結晶)、ポリリン酸ナトリウム
- むし歯の発生及び進行の予防
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イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、セチルピリジニウム塩化物水和物、デカリニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム、ベンザルコニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム液、ベンザルコニウム塩化物液、塩化ベンゼトニウム、ベンゼトニウム塩化物、塩化ベンゼトニウム液、ベンゼトニウム塩化物液、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、塩酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、トリクロサン、フッ化ナトリウム、モノフルオロリン酸ナトリウム、ラウロイルサルコシンナトリウム
- 口臭又はその発生の防止
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アズレンスルホン酸ナトリウム水和物、ε-アミノカプロン酸、イプシロン-アミノカプロン酸、アラントイン、アラントインクロルヒドロキシアルミニウム、アルクロキサ、アラントインジヒドロキシアルミニウム、アルジオキサ、エピジヒドロコレステリン、ジヒドロコレステロール、塩化ナトリウム、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸二アンモニウム、グリチルリチン酸二ナトリウム、グリチルリチン酸三ナトリウム、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸二カリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウム、β-グリチルレチン酸、グリチルレチン酸、イソプロピルメチルフェノール、塩化セチルピリジニウム、セチルピリジニウム塩化物水和物、デカリニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム、ベンザルコニウム塩化物、塩化ベンザルコニウム液、ベンザルコニウム塩化物液、塩化ベンゼトニウム、ベンゼトニウム塩化物、塩化ベンゼトニウム液、ベンゼトニウム塩化物液、塩酸アルキルジアミノエチルグリシン液、塩酸クロルヘキシジン、クロルヘキシジン塩酸塩、トリクロサン、アスコルビン酸、L-アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、L-アスコルビン酸ナトリウム、塩酸ピリドキシン、ピリドキシン塩酸塩、酢酸DL-α-トコフェロール、トコフェロール酢酸エステル、ニコチン酸dl-α-トコフェロール、トコフェロールニコチン酸エステル、ゼオライト、塩化リゾチーム、リゾチーム塩酸塩、銅クロロフィリンナトリウム、ヒノキチオール、ラウロイルサルコシンナトリウム
- タバコのやに除去
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ポリリン酸ナトリウム、ポリエチレングリコール200、マクロゴール200、ポリエチレングリコール300、マクロゴール300、ポリエチレングリコール400、マクロゴール400、ポリエチレングリコール600、マクロゴール600、ポリエチレングリコール1000、マクロゴール1000、ポリエチレングリコール1500、マクロゴール1500、マクロゴール1540、ポリエチレングリコール4000、マクロゴール4000、ポリエチレングリコール6000、マクロゴール6000、ポリエチレングリコール20000、マクロゴール20000、ポリビニルピロリドン、ポビドン
- 歯がしみるのを防ぐ
-
硝酸カリウム