10年以上続けた施工管理を辞めたい理由と辞めない理由

検索エンジンで「施工管理」と検索すると、「施工管理 きつい」「施工管理 やめとけ」「施工管理 つらい」と検索候補が表示されます。すこぶる評判の悪い職業なんですが、これには私も大いに同感します。

実際に私も施工管理を辞めたいと思ったことが何度もありました。正確には、繁忙期になると心が重くなり辞めたいと思い続け、閑散期になると心の軽さから辞めたいなんて思うことは稀でした。

一つの工事を完成させるには半年から1年程度の歳月を費やしますが、その期間は基本的にはずっと忙しいのが施工管理の仕事です。なので一度辞めたいと思い始まると、工事が完成するまでモチベーションが低下したまま働き続けることになります。ただ2年以上の期間を費やす工事を経験した時は、モチベーションが低下しているというよりは、心が無くなったような感じでもう何も考えたくないという気持ち。なんか全部どうでもいいやって感じで働いていましたね。

さすがに工事が完成し、忙しさから開放されることでモチベーションが元に戻るので、辞めたい期と辞めない期が定期的にサイクルしているような精神状態を繰り返していたわけですが、こんな働き方を死ぬまで続けるんか?と思ったことがキッカケで、本気で退職を検討するようになりました。

今辞めないといつの日か自分の人生とは一体何だったのかと後悔するかもしれない。後悔したくないから将来のことをちゃんと考えてみる。

そういう思いから、辞めたい理由と辞めない理由を一度書き出してみました。

目次

施工管理を辞めたい理由

労働時間が長い

施工管理の労働時間は長い。朝は誰よりも早く現場へ出勤し、門の開錠や当日作業の段取りを行う。午前中は現場で管理業務を行い、昼休み中には午後の準備、午後からも現場で管理業務を行い、夜はその日の工事の成果の記録をまとめ、明日のことや今後の必要になる書類作成を行う。工事の都合で早朝出勤、深夜退勤はよくあることだが、翌朝まで現場にいたこともあった。

内業と外業の分担ができればいいのだが、不人気業界なゆえ人手不足も甚だしい。つまり一人で全部なんとかしろって状態なわけで、結果長時間労働になる。労働時間の長さは施工管理をする者にとって切っても切れない関係である。

休日が少ない

基本的に休日は日曜日だけ。いわゆる4週4休という昔ながらの風習が根付く働き方をしているのが建設業である。しかし日曜日にすら休むこと出来ないこともしばしばあり、1か月以上休みなく働いたこともある。

祝日なんて概念はとうの昔に忘れている。用事があって電話した時、相手が電話に出なかったことで今日は祝日だから休みかと思うこともしばしばあった。

現場の工事とは別件で、平日の夜中や日曜日でも緊急の呼び出しがあり気が休まることはない。

休みでも仕事のことで頭がいっぱい

工事は長期間のプロジェクトだ。一つ一つを積み重ねていくことでようやく工事が完成となる。その中の一つにでもミスがあれば全ての歯車が狂うことにも繋がる。だからこそ油断は許されないし心配事も多い。これが頭の中が仕事でいっぱいになる所以である。

お盆・正月・ゴールデンウィークなど長期の休みが取れても、毎日現場へパトロールをしなくてはならない。何か異常があれば工事関係者だけでなく地域住民の安全も脅かされる可能性があるからだ。海外旅行になんて行く時間はないし一泊二日の弾丸海外旅行なんてことすらもできない。

天候は工事に大きく影響するので天気予報を見るのが癖になる。ある程度は悪天候を想定して段取りしておかないと悲惨な事態が訪れる。工程に影響が出るとその後の対応に追われ、余計な業務が多々発生する。

強風が吹けば足場は大丈夫か、看板が飛ばされてないか、シートが飛ばされてないかと心配になる。大雨が降ればポンプが漏電していないか、現場が水没していないかと頭によぎる。万が一水没でもしていたら、高額な機械が故障し大きな損害が発生する可能性もある。まぁ大丈夫でしょと自分に言い聞かせて、明日に備えて寝ようとしても風や雨の音で胸騒ぎがして寝れなく日もある。なので気になって現場に見に行き、心配事を解消させることもある。

仕事の負担が重く常にストレスを感じている

裁量性が高い仕事である分そのひとつひとつに責任が生じる。やりがいがあるともいえるが、やりがいも度を超えるとストレスでしかない。

現場ではトラブルがつきもので、四大管理と呼ばれる工程管理・品質管理・原価管理・安全管理上のトラブルから官公庁への対応、民間人への対応など業務内容が多岐にわたり常に仕事が舞い込んでくる。

四大管理はひとつでも不具合が発生すれば、膨大な時間と費用を書けて計画の変更や現場の改善をしなければならないこともある。

今の仕事が好きではない

学生の頃から将来やりたい仕事や人生設計プランを考えず、高校選びや大学進学も成り行きで生きてきたツケが今になって回ってきた。

向いてるか向いてないかでいえば向いているほうだと思うが、承認欲求もなければ出世欲もない。年々仕事へのモチベーションが低下し続けている。

仕事を意欲的に行っているとは言い難く、与えられた仕事をこなしているだけ。

会社の同僚や部下に一癖も二癖もある人が多い。建設業特有なのかはわからないが万が一出世しても苦労すると思う。その点でいえば、会社の将来を悲観している。

将来社長になるであろう現副社長との関係は良好で、従業員への待遇などの改善に意欲的である。この人についていきたいと思う気持ちがあるのは事実。

夏は暑いし冬は寒い

夏は暑いし冬は寒い。これは外で働く人間にとっての宿命である。

熱中症という言葉が出てきたのはここ数年で、今では空調服など熱中症対策グッズが続々と新発売されており、さらには工事現場では働きやすい環境を整えることが義務であるため、夏場は特に休憩時間をたくさん取るなど様々な対策が必要になる。しかし施工管理者はそうはいかない。職人の休憩時間にしかできないことがあるのだ。写真撮影や測量、各種打ち合わせなど休憩時間などないに等しいのだ。そうでもしなければ今後の工程に影響がでるため、体に鞭を打ち仕事を進める。

冬の冷たい風に晒されながらの仕事もつらい。雨や雪が降ればカッパを着ながら全身凍える思いをしながら仕事を進める。

さらに春は日本の国民病とも言われる花粉の時期で、目のかゆみと鼻水・鼻づまりで快眠を取るのが困難である。結果的に日中は眠気と花粉のしんどさで集中力が削がれる。現場全体の安全第一が最優先なのに、自らの花粉対策のことで仕事が捗ることはない。

婚活したい

過去に家庭が崩壊したことがあるので、次に家族となる人との時間を大事にし人生をやり直したい。

ただでさえ自分の時間が取れないこの仕事では、理想の家庭を築くことは私には不可能である。

IT分野に挑戦したい

今後のトレンドはIT分野だと思っている。

パソコン1つあれば、どこにいても仕事ができるスタイルに憧れている。

辞めるほどでもないが休職したい理由

施工管理は中々長期の休みが取れません。さらに日々の業務も忙しく、やりたいこともできません。ただ人生を消費していくだけの日々を送っています。もし1年程度の休職をするなら、こんなことがしてみたいです。

日本一周旅行したい

数か月かけて47都道府県を旅したい。人との出会いや様々な場所に行くことで知見を深め、今後の生活に役立てたい。経験は財産だと思う。

海外留学したい

海外留学で英語を身に付けたい。将来的には海外移住すること視野に入れたい。

海外旅行したい

微笑みの国タイで、微笑みたい。(語彙)
幸福度が高い国フィンランドで、幸福になりたい。(語彙)

マカオのカジノで一世一代の大勝負をしたい。

カナダの都会と自然の調和を肌で感じることで心豊かになりたい。

体のメンテナンス

年齢とともに体のガタツキを感じ初めているのでしっかりメンテナンスして健康でありたい。

健康で短命か、不健康で長寿命かの2択なら迷わず健康で短命を選択する。なぜなら体のあちこちに痛みを感じ、苦しみながら薬に頼って長生きするなんて考えるだけで悪寒がするからだ。

太く短く生きるという生き様はとてもかっこいいし憧れる。まぁ一番いいのは健康で長寿命なんでしょうけど。

施工管理を辞めない理由

給与がいい

労働時間が長いので必然的に高給取りになる。実際、養育費2人分を4年で一括支払いするくらい貯金できた。

逆に言えばこの4年間は仕事しかしていなかった。恋も遊びも何もなし。仕事に追われた4年間だったなぁ~泣

人間関係が良好

上司や同僚、部下との関係は良好で評価も悪くない。他部署の人間とも比較的良好な関係を築けている。

もともと裁量性が高い仕事ではあるが、叱られることなんてほとんどなく自由に仕事させてもらえている。

暇なときは遊べるし寝れる

工程で空きが出る日がある。基本的には次の工程の為の書類作成や溜まった書類を整理する。また状況によって、現場での測量・墨出し・写真撮影等を行う。

しかし、それすらもする必要がない開店休業状態の日が存在する。その時はyoutube見るもよし、読書するもよし、ネットサーフィンするもよし、喫茶店行くもよし、同僚の現場へ冷やかしに行くもよし、眠たければ寝ればいい。そんな日が丸っと一週間存在するときもある。設計と現地の不一致により、数か月間工事が止まっていることも稀にある。

新しい環境への不安

転職活動がうまくいくかの不安と、転職後に今より悪い労働環境になる可能性があることを考えると一歩踏み出せない気持ちがある。

働き方改革への期待

国の方針として、働き方改革を行っている真っ最中である。今後に期待して楽観視する半面、建設業は変わらないだろうと悲観する気持ちもある。

建設業の働き方がいい方向へ改革されてほしいと常々思う。

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