仕事を過去に一度でも辞めたいと思ったことがある人は、たくさんいます。
過去に何度も思ったことがある人、今現在も検討中である人、たくさんいます。
自分だけではありません。
でも辞めたい理由をちゃんと考えたことありますか?それでも辞めずに続けている理由はなんですか?
ただ漠然と辞めたいと思っているだけでは状況は一向に改善しません。むしろ悪化するばかりです。
あの時辞めてればよかった、あの時辞めなければよかった。と後悔する日が来るでしょう。そう思っても後の祭りです。人生は限られています。そして人生の内、3分の1は仕事をしている時間です。限られた時間の中で有意義に、そして最善を尽くしてよりよい人生を歩みましょう。

なぜ辞めたいのか理由を明確にする
理由が曖昧なまま退職しても次につながりません。辞める理由を書き出してみましょう。
例えば、
- 給与が少ない
- 人間関係に悩んでいる
- 評価されない
- 労働環境が悪い
- 労働時間が長い
- そもそも仕事が合わない、向いていない
- 責任が重すぎる
- 忙しすぎる
- 単調でやりがいがない
- 会社の将来が不安
- うつの症状がある
- 好きな人に振られて気まずい
- ミスを隠していてバレる前に逃げ出したい
- 理由は特にないけど働きたくない
人それぞれ理由があると思いますが、書き出してみて考えをまとめる時間が必要です。それが解決への糸口に繋がります。
辞めたい理由の中から、今の会社では解決できないのかを考える
新しい環境へ変わっても、今より状況が改善するとは限りません。転職後、すぐに後悔して前の会社のほうがよかったとなる可能性もありえます。しかしながら、前の会社へ戻ろうとしても非常に困難な道のりになります。もし戻れたとしても上司からは白い目で見られ、さらに給与も以前より低い金額を提示されることでしょう。
そうならないために今の会社で改善できること、妥協できることを書き出してみましょう。書き出すことで解決策が見つかる可能性があります。全て解決できるのであれば、辞める必要なくなりますよね。解決とまではいかなくても、これくらいなら妥協できるという項目もありますよね。書き出してみることは後悔しないための準備作業です。
例えば、
- 給与が少ない
-
出世までの道のりは遠いのでしょうか?
会社の業績は上がりそうにないのですか?
資格を取ることで給与が上がりませんか?
- 人間関係に悩んでいる
-
ワンマンな社長、パワハラ体質な上司、口の悪い同僚、なめてくる部下などとの話し合いでは解決しませんか?
他人とはそういうものだと思い、自分の考え方を変えれませんか?
こっそり録音して、第三者へ相談できませんか?
- 評価されない
-
その評価は本当に理不尽な評価ですか?
あなたの仕事っぷりは評価されるに値しますか?
本音と建前を使い分けて、ゴマをすることはできませんか?
- 労働環境が悪い
-
部署異動はできませんか?
あなたの勤めている会社はブラック企業ですか?
頭を使う仕事か体を動かす仕事、どちらを希望しますか?
- 労働時間が長い
-
この労働時間の長さが今後も変わることはないですか?
人員を補充して労働時間を短縮できませんか?
新テクノロジー等の導入で効率化を図ることはできませんか?
- そもそも仕事が合わない、向いていない
-
新しい仕事が始まったばかりで慣れてないだけではありませんか?
自分に合う仕事、向いている仕事とはどのような仕事か把握していますか?
他にやりたい仕事があるのですか?
- 責任が重すぎる
-
負担を分散することはできませんか?
責任の重い仕事を達成することで、キャリアアップできませんか?
その過剰だというノルマは、本当に過剰なのですか?
- 忙しすぎる
-
優先順位の低い仕事に時間をかけてやっていませんか?
自分のキャパシティを把握できていますか?
断ること、他人に任せることはできませんか?
- 単調でやりがいがない
-
新しいチャレンジをする機会はありませんか?
仕事を楽しむ創意工夫はありませんか?
複雑で難しい仕事をしたいと思うほど意欲高い人間ですか?
- 会社の将来が不安
-
これ以上自分の成長を見込めませんか?
新しい事業を提案できませんか?
周囲の従業員も同じように不安に思っていますか?
- うつの症状がある
-
診療内科や精神科で相談しましたか?
心のメンテナンスのため、休職することはできませんか?
限界を感じているなら、すぐに最寄りの診療内科もしくは精神科を受診してください。悪化すると取り返しがつかないことになります。
- 好きな人にフラれて気まずい
-
好きな人を簡単に諦めますか?
よっぽど引かれるような行動をしたのでしょうか?
時間が立っても解決しそうにないですか?
- ミスを隠していてバレる前に逃げ出したい
-
その抱えている爆弾は今からでも解決できませんか?
今さっき気が付いたふりをして、今からでも報告できませんか?
心配事の9割は起こらないという言葉があります。それでも心配し続けますか?
- 理由は特にないけど働きたくない
-
わかります。
そしてもう一つ考えておくべき重要なものがあります。
もし辞めるとして、今後のプランを考えておくことです。
辞めたあとどうするかを考える
退職後のプランを明確にしてください。
例えば、
- 同業種か別業種か
- キャリアアップを目指すか現状維持か
- 転職先を決めてから辞めるか、辞めてから転職先を探すか、充電期間を置いてから探すか
- 生活費の確保は大丈夫か
などです。
同業種に転職する場合
実績があるので給与や生活費で苦労することは少ないでしょう。同業種のため、転職したからといって以前から感じていた仕事への不満が解決するとは限りません。業界特有のものを不満に感じている人は、転職後も同じ不満を感じ辞める決断をする可能性があります。そして辞め癖が付くことで繰り返す可能性があります。しかし人間関係の不満であれば改善する可能性もありますが、悪化する場合もあります。こればかりは運の要素が絡みます。
別業種に転職する場合
給与が下がることが想定されるため、今までの生活レベルを下げる必要があります。希望業種の知識や経験、資格などはありますか?また、年下の上司から指導や叱責されることがありますが、あなたはそれに耐えられますか?変にプライドがある人は、すぐに辞めたくなるかもしれません。
キャリアアップを目指す場合
今までの実績をうまくアピールできる資格や経験などがなければ、転職先を見つけるのに苦労するかもしれません。給与が上がることや自己成長する機会が増えますが、責任の重さや労働時間の長さによってストレスが増幅される可能性があります。自分のストレス耐久性や将来的な展望を今一度検討してください。楽して稼げる仕事はそうそうありませんので。
キャリアダウンを希望する場合
今までストレスが高い仕事をしており、それが嫌になった人はストレスフリーな仕事を希望するかもしれません。しかし責任もなくただ指示されたことだけを行うだけの、まるで機械のような単純作業を今後定年まで続けることを一度想像してみてください。考え方は人それぞれなのでそういう職業を選択するのもまた人生です。
転職先を決めてから辞める場合
仕事をどうしても辞めたいと感じていても、転職先が見つからずに今の仕事を嫌々し続けなければならない可能性があります。そのままずるずると働き続けることになり、いずれ後悔する日が来るかもしれません。転職したい会社に自分をアピールできる武器が必要です。後回しにせず今すぐに自分磨きを始めてください。必要な貯金額は、転職後に思っていたこととの違いを感じて再転職したくなる場合に備えて、2~3ヶ月程度生活できる貯金があるといいでしょう。
辞めてから転職先を探す場合
過去の実績や年齢で転職先の見つかりやすさが変化します。ただし、万が一転職活動が難航した場合に備えて、ある程度の貯金は必要です。また、難航して資金が減っていくと焦りが生じます。焦って転職先を決めることになれば、いい転職はできないでしょう。余裕を持って6ヶ月~12ヶ月程度は生活できる貯金が必要になります。不人気な職種であれば比較的簡単に見つけることができますが、そこで働いている姿はあなたの想像する未来の自分ですか?
充電期間を置いてから転職先を探す場合
充電期間は心身ともにリフレッシュすることと、この先の人生について考えるのに必要な時間です。しかし空白期間を作ることは好ましくないです。その空白期間について面接のときに必ず聞かれますが、しっかりと自信を持った回答をできますか?また、充電期間に何をするか決まっているのですか?何も決まっていないのであれば、ただただ時間だけが過ぎていくことになります。〇〇を旅行したい、〇〇を学びたいなど具体的なことを考えておく必要があります。また、充電期間中の生活費、転職活動費、各種税金の支払いなどの貯金はありますか?今までは会社が半額負担してくれていた健康保険料を自分で全額支払うことになります。そして、健康保険料以外にも住民税と国民年金の支払いが必要になります。必要な貯金額は充電期間の長さや挑戦したいことなどによって変化します。最低でも12ヶ月程度は、生活できる貯金が必要でしょう。
親しい人に相談する
心身が疲弊していると正常な判断ができなくなります。自分ひとりで解決しようなんて思わないでください。
そしてこれまでに考えたこと、書き出したことを親しい人に相談しましょう。
友人へ相談した場合は、友人も同じような不満を持っていて、意見を共有できるかもしれません。相談することで、思わぬところに解決の糸口があったり新しい発見があるかもしれません。自分だけではメリットばかり考えてしまって、思いもよらぬところにリスクが眠っているかもしれません。
家族がいる場合は、退職を決意してから報告してもトラブルの基になります。あらかじめ相談しておくことで、自分の気持ちが楽になるし背中を押してくれる可能性もあります。同居している家族にとっては今後の生活もありますので、厳しい意見を出されることもありますが、誠心誠意、嘘偽りなく、正直に思っていることを言いましょう。
それでも辞める意思が変わらないなら
自分なりの考えがまとまった結果、続ける判断をしたのなら周りの人々は応援してくれます。
これまでに考えたことは決して無駄にならず、今後の役に立つことでしょう。
退職や転職は非常にエネルギーを消費します。いい縁に巡り合うためには、時間を多く消費することもあります。
後悔のないよう粘り強く、妥協せず、人生を謳歌してください。

