人差し指と中指を交差させた指の形(🤞)は、フィンガーズクロスド(fingers crossed)と呼ばれるハンドサインの一つです。アメリカやイギリスなどの英語圏の国では、英語の慣用句にもなっており他者に対して「幸運を祈る」「成功を願う」「応援する」といった意味で使用されます。
例えば、「Keep your fingers crossed.」や「I'll keep my fingers crossed for you.」といった使い方なら「あなたの幸運を祈るよ」といった丁寧な言い方になります。友達同士であれば、「Fingers crossed!」と言うことで「幸運を祈るぜ!」のようにカジュアルな使い方もできます。もちろん会話の流れによっては、ハンドサイン(🤞)だけでも十分に伝わることもあります。
ところで、フィンガーズクロスド(🤞)には「幸運を祈る」「成功を願う」「応援する」以外にも意味があります。実はこの人差し指と中指を交差させる指の形は十字架を表すもので、イエス・キリストに深く関連しているのです。
イエス・キリストといえば、すべての罪人の身代わりとして十字架に磔にされた救世主であり、十字架はいわば救いの象徴とも言えます。つまり「救われるように祈る」が転じて「幸運を祈る・成功を願う・応援する」というように変化してきました。
ですが、十字架には救いの象徴以外にも、勝利の象徴・死の象徴・苦しみの象徴など様々な解釈がなされることから、フィンガーズクロスドのハンドサインは「嘘がバレないように祈る」や「嘘をついたことをお詫びする」といった幅広い意味を持つようになりました。
🤞🤞🏻🤞🏼🤞🏽🤞🏾🤞🏿 |
フィンガーズクロスド (fingers crossed) |
フィンガーズクロスドによく似た慣用句として「グッドラック(good luck)」がありますが、単刀直入に言うと「👍」は本来の使い方ではありません。日本では「👍」を「グッド・グッドボタン・グッドサイン」などと呼ぶことがあるため、一見すると「グッドラック=👍」のようにも思えますが、本来「👍」はサムズアップ(thumbs up)と呼ばれるハンドサインであり、どちらかといえば「OK」や「了解」の意味で使われるハンドサインとなります。ですので、「グッドラック」と伝えたい場合でもフィンガーズクロスドのハンドサイン(🤞)を使用したほうが本来の意味としては適切と言えます。
と、ここまでが英語圏での国の話でした。
ところがドイツ語圏の国になると、🤞のハンドサインは嘘をつくサインになります。英語圏の国での「嘘がバレないように祈る」や「嘘をついたことをお詫びする」に意味がよく似たハンドサインですが、「幸運を祈る」としては使用されません。その代わりに、ドイツ語圏の国では親指を握った拳が「幸運を祈る」のハンドサインとなります。
そして最後にもう一つ、ベトナムでの🤞のハンドサインには注意が必要です。というのもベトナムでの🤞は主に2つの意味があり、一つは「性器」、もう一つは「Fuck you」を表現しています。いわゆる卑猥な表現あるいは侮辱する表現なので、相手に中指を突き立てているも同然となり、すぐに喧嘩に発展してもおかしくない状況を作り出してしまいます。
ところで、人差し指と中指を交差させた指の形をフィンガーズクロスド(🤞)と言いますが、これに似たものとして親指と人差し指を交差させたハンドサイン(🫰)もあります。これはいわゆるフィンガーハートと呼ばれるものですが、これについての解説は以下のリンクから参照してください。