歯石とは歯に付着して硬化した白色の塊のことをいい、歯垢(プラーク)が唾液とカルシウムやリン酸と結び付き石灰化することが原因となります。歯肉に異常を起こす歯周病の原因となることや歯に異常を起こす虫歯の原因となります。さらには口臭の原因にもなるため、放置することは好ましくありません。歯石の位置によっては、笑ったときに目立つなどして、見た目の印象が悪くなることもあります。
初期の歯石であればブラッシングで取り除くことができますが、磨き残しがあるとブラッシングだけでは取り除けないほど頑固にこびりついてしまいます。そうなると除去するために対策が必要になります。方法としては、①歯科クリニックで除去する方法、②自分で除去する方法の2種類が考えられます。
歯石を歯科クリニックで除去するには
歯石は、歯科クリニックで歯のクリーニングと呼ばれる施術を受けることで手っ取り早く、そしてきれいに除去することができます。
料金は1回の施術当たり3,000円〜4,000円が相場となっています。しかし一度の通院で完全に除去できるわけではなく、数回に分けて通院する必要があるため歯石の度合いによっては数万円単位での出費になります。また、歯石を完全に除去できたとしても日々のブラッシングが不十分であれば、数ヶ月後には再度歯石が付着してしまうため通院する必要がでてきます。そうならないためにも正しいブラッシング方法を身につけることが必要となります。都合がいいことに、歯科クリニックでは正しいブラッシング方法の指導を受けることができるため、歯のクリーニングと並行して行うことが理想といえます。
歯石を自分で除去するには
歯石を自分で除去するために、歯石取りツールを使う方法があります。しかしこれはあまりオススメできません。というのも歯の表面や歯肉などに傷をつける可能性が高いからです。歯の表面に傷が付くというのはエナメル質に傷をつけるということです。エナメル質は虫歯の発生を防ぐ効果があるため、安易に傷つけることは良くありません。さらにはその傷により着色の原因となる色素が定着しやすくなり、結果的に歯の黄ばみの原因にもなります。最悪の場合、歯が欠けるなど取り返しのつかないことにもなりかねません。
このように費用は安く済みますが、歯石を完全に除去するに至らないこと、口内を傷つける可能性があること、歯の着色汚れの原因となることなどデメリットのほうが上回っているといえるしょう。ですので、通院が面倒あるいは費用を抑えたいとお考えの方以外はあまりオススメできません。
上記したデメリットは承知の上で、それでも構わないと思われる方のために市販の歯用ツールを紹介します。これにはデンタルミラーもセットで付属しており、歯の裏側を自ら見ることができます。自分の空き時間でできることと一度購入すれば何度でも使用できるコスパの良さが最大のメリットです。
厚生労働省に医療機器として届出を提出している商品ですので、その点でいえば使い方さえ間違えなければ口内環境の維持に大きく役立ってくれることでしょう。
歯石が付かないように予防しよう
歯石が付かないように予防するには、普段のブラッシングから意識を変えていくことが必要です。ブラッシングは今まで培ってきた各々のルーティーンがあると思いますがそれが正しいやり方とは限りません。まずは歯科クリニックで正しいブラッシング方法の指導を受けること。そして自分に合う歯ブラシやフロスを使用することなどして、この機会に今までのやり方を見直してみてはいかがでしょうか。