シャカサイン(🤙)は、親指と小指を立たせ、人差し指、中指、薬指をそれぞれ折りたたんだハンドサインのことを指す。2024年にはハワイ州の公式ハンドサインとして認定されたハワイで日常的に使用される挨拶のハンドサインである。なお、シャカサインはハングルーズやアロハサイン(アロハポーズ)と呼ばれることもある。
ハワイ州は1986年にアロハスピリット法を導入した。この法律は、簡単に言えば「ハワイでは親切でなければならない」と定めたものだ。ハワイに住む様々な人々に対しての思いやり、文化に対する理解など、アロハの心で接することを義務付けたものである。シャカサインはこのアロハスピリットを伝えるための一つの手段として使用されている。
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シャカサイン (shaka sign) |
アロハとマハロ
アロハスピリットは他人に対する親切の心と言い表すことができるが、アロハ(Aloha)という言葉には、出会いや別れなどの喜び、悲しみ、その他愛情を伝えるなど、一言では言い表すことができない様々な感情が含まれている。日本語で例えるなら「こんにちは、さようなら、愛しています」などが組み合わされた言葉だということだ。
そして、ハワイではアロハの他にマハロという言葉も有名である。マハロ(Mahalo)は尊敬や敬意などを表す言葉で、日本語で例えるなら「ありがとう」を意味する言葉である。
ハワイ語の中で、最も有名な言葉はアロハとマハロと言えるが、アロハは挨拶の言葉、そしてマハロは感謝の言葉というように使い分けることができる。なお、これらはどちらもハワイで日常的に使用される友好の言葉であることに違いはない。
シャカサイン・ハングルーズ・アロハサインの違い
このシャカサインとハングルーズ、そしてアロハサインには明確な違いがある。シャカサインは手の甲を相手側に向け、ハングルーズは手の平を相手側に向ける。そしてアロハサインはシャカサインとハングルーズを総称したものとされている。
そして次に意味の違いだが、シャカサインは「大丈夫」「頑張ろう」など「相手を励ますサイン」として使用される。一方でハングルーズは「こんにちは」「ありがとう」「さようなら」など「挨拶のサイン」として使用される。これらはどちらも、手首を小刻みに回転させることで強調した表現となる。
シャカサインの起源
シャカサインの起源には複数の説が挙げられるが、最も有力なものはハワイ州ホノルル郡オアフ島コオラウロア地区ライエのハマナ・カリリ(1882-1958)が起源という説だ。
彼はカフク製糖工場で働いていたときに右手の人差し指、中指、薬指を失った。後に列車の警備業務に配属され、その姿を見た子供たちが彼を真似したことがシャカサインの始まりとされている。
そしてその後、オアフ島を拠点に活動していた中古車セールスマンのリッピー・エスピンダがテレビ広告でシャカサインを使用したことで急速に広まったとされている。彼の功績はシャカサインを広めただけでなく、ハワイ語の人気も高めたとされている。
なお、ハマナ・カリリではなくリッピー・エスピンダこそがシャカサインの考案者だという説もあるが、真相は定かではない。
ところで、ハワイ語は英語や中国語、日本語なども含め世界各国の言語の影響を受けたとされている。このように複数の言語が混ざり合って形成された言語をピジン言語という。何が言いたいかと言うと、シャカサインのシャカは日本語の「釈迦」が起源という説もあるということだ。ハワイ語が世界中の言語から影響を受けていることから必ずしも否定はできない。
電話のジェスチャー
シャカサイン(🤙)はしばし電話のジェスチャーとしても使用される。この手の形は、固定電話機の受話器の形を模したものだ。だが、現代では電話といえばスマホが主流であることから使用されることは少なくなりつつある。つまり、この動作は若い世代ほど使用しなくなっており、ジェネレーションギャップを感じる要因となっている。