自宅玄関の鍵を自分で交換することは、実はそんなに難しいことではありません。交換自体は慣れてしまえば10分程度で済んでしまうほど簡単なのです。と大口を叩いてみたものの実際の難易度は鍵の種類によります。ということなので、今回の記事はシリンダー錠を対象として交換方法を解説をしていきます。
とその前に、一言に錠前といっても防犯性能に差があるため、交換する理由によってはどの錠前に交換するのかを検討すべきです。個人的には、
- 以前同居していた者が合鍵を返してくれない。
- 入居したばかりで以前の住人が侵入してこないか心配。
- 鍵の調子が悪い。
などの場合であれば、錠前さえ交換できれば防犯性能は気にしなくても問題ないと考えます。
しかし、治安が悪く空き巣などが多発しているような地域では、防犯性能の高い錠前を使用するべきと考えます。もちろんその場合は、玄関だけでなく勝手口や窓にも何かしらの対策を講じるが必要があるでしょう。
ところで一つ注意事項があります。賃貸の場合、入居前に錠前の交換が行われていることがありますが、もし交換が行われていない場合でも、管理の都合上許可なく交換することはできません。トラブルの基になるので必ず事前に確認を取りましょう。場合によっては管理人が無償で鍵交換に応じてくれるかもしれません。
鍵は自分を守るための重要なパーツです。実際に浮気や不倫での別れや別居、泥沼離婚などの2人の関係に遺恨が残るような場合に、不在時を狙って侵入し盗みを働いたり嫌がらせしたりなんて話も耳にしたことがありますので、早めに対策を講じましょう。
自分で交換する場合に要する時間と費用
記事の冒頭で、交換自体は慣れてしまえば10分程度で交換できると記載しましたが、初めての場合は30分〜1時間程度の時間を要するかもしれません。ただし、それはあくまでも「交換だけ」の話です。錠前にも様々な種類がありますので、自宅の玄関に適合する錠前を調べる時間とそれを購入する時間、それらは交換以上の手間がかかります。
ただ自分で交換するということはそれだけ費用が安く済むというメリットがあるということです。防犯性能を気にしなければ安いもので五千円程度で購入できます。必要な工具も百均で揃えることができる一般的なものなので大した出費にはなりません。業者に依頼して2〜3倍くらいの出費になることを考えれば、自分でやってみるメリットは大きいと言えます。
【事前調査】シリンダー錠の種類を確認する
- メーカー及び型式を確認する
- 扉厚を確認する
- 1.メーカー及び型式を確認する
-
まずは扉の側面にあるフロントプレートの刻印を確認します。今回の場合は「MIWA LA-MA」の刻印が確認できました。
- 2.扉厚を確認する
-
扉の厚さによって使用できるシリンダー錠が変わります。メジャー等を使用し正確に測定してください。
↓↓今回使用した「MIWA LA-MA」はこちら↓↓
【事前準備】工具を準備する
- プラスドライバー
- ラジオペンチ
- 1.プラスドライバー
-
ネジの取り付け・取り外しに使用します。精密用ドライバーではなく一般的なサイズのものを用意してください。
- 2.ラジオペンチ
-
ラジオペンチとは先端が細い形状をしたペンチのことです。留めピンを抜くのに使用します。先端の細いマイナスドライバーでも代用可能です。
【施工手順】シリンダー錠を交換する
- 扉側面のフロントプレートを外す
- 留めピンを引き抜く
- シリンダー錠を交換する
- 留めピンを差し込む
- 側面のフロントプレートを取り付ける
- 動作を確認する
プラスドライバーを使用し、扉側面のフロントプレートを固定しているネジを取り外します。その後フロントプレートを取り外してください。
プレート取り外し前
プレート取り外し後
この時ネジを落下させ紛失しないように片手を添えるなど注意して取り外してください。
ラジオペンチをテコのように使用して留めピンを引き抜きます。
留めピン引き抜き前
留めピン引き抜き中
留めピンの頭を5mm〜10mmほど出すことで、指先で掴んで引き抜くことが可能になります。指先に力が入らなくて引き抜けない場合はラジオペンチで掴んで引き抜いてください。
留めピンを引き抜くことで、シリンダー錠の固定が外れ簡単に取り外すことができます。その後、新しいシリンダー錠をハメ込むのですが、次の手順で留めピンを差し込むので留めピンの穴の向きが扉側面に来るようにシリンダー錠をハメ込んでください。
留めピンを差し込む前にサムターンの向きを確認してください。サムターンとはドアの内側から鍵をかける時に指でつまむ部分のことです。一般的には縦向きから横向きに回すことで鍵がかかるようになっていますが、向きを間違えると逆になってしまいます。
【参考写真】サムターンの向き
※この場合、サムターンを縦向きから横向きに回すことで鍵がかかるようになります。
※この場合、サムターンを横向きから縦向きに回すことで鍵がかかるようになります。
サムターンの向きを決めたら留めピンを挿入します。留めピンは指で振動を加えながら押し込むことで簡単に挿入できます。しかし残り数mm辺りで固くなり指の力だけでは挿入出来なくなる場合がありますので、その時はプラスドライバーの柄の部分など硬いものを使用し叩きながら挿入することで最後まで押し込むことができます。
フロントプレートを所定の位置にハメ込み、プラスドライバーを使用してネジを取り付けます。
最後に必ず動作確認を行いましょう。せっかく防犯対策を講じたつもりでも上手く取り付いていなければ何の意味もありません。扉の外側と内側両方から鍵を回すことができ、扉が開かないことを必ず確認してください。