CADを仕事で活かしたい!学び方や取るべき資格は?

目次

CADについて

CADとは

CAD(キャド)とは、Computer Aided Designの略語で、日本語ではコンピュータ支援設計と表すことができます。これは、コンピュータを用いて何かを設計する時に使用します。この何かというのが実に幅広く、建設業・製造業を始め、ありとあらゆる業界で使用されています。昔は手書きだったものがコンピュータで可能になったというのは設計業務だけに限りませんが、今やCADを用いて様々な業務を行うことが当たり前の時代となっています。

2DCADと3DCAD

CADには、2次元空間の2DCADと3次元空間の3DCADがあります。CADの初期は2DCADが主流でしたが、現在では3DCADも多く普及しています。平面的に形を捉えたいなら2DCADを、立体的に形を捉えたいなら3DCADと使い分けもできるようになっています。

3DCADとBIM

BIM(ビム)とは、Building Information Modelingの略語で、建造物の情報をモデリングで表すシステムのことです。

3DCADは図面を3次元で表現できますが、BIMも同じく3次元で表現します。では何が違うのかというとモデルの作り方が違います。3DCADでは先に2次元モデルを作成してから、それらを組み合わせて3次元モデルを作成します。一方BIMは、先に3次元モデルを作成してから必要に応じて2次元モデルを抽出します。

ということは、3DCADでは3次元モデルで出来上がった完成姿図に修正があった場合に、一度2次元モデルを作り直してからもう一度組み合わせて3次元モデルを作成することになります。一方BIMの修正は3次元モデルそのものをそのまま修正することが可能です。

現時点では3DCADは主に製造業で、BIMは主に建設業の建築で使用されていますが、この先製造業と建設業に留まらず、様々な業界で成長と遂げていくことが予想されます。

これらは専門家同士の打合せなどで使用されますが、専門家と知識の乏しいお客さんとの商談でも使用できます。一目見るだけでイメージが湧きやすく、わかりやすいというメリットがあるからです。

今までカタログなどの紙だけで説明を聞いていたお客さんからすれば、パソコン一つで立体的にイメージできて、事細かに見たいところを見ることができ、サイズが気になればその場でサイズを確認することもできるという魅力的なシステムです。

きっとこの先、3DCADとBIMは我々一般人の生活にも馴染んでくることでしょう。

CAD、CAM、CAEの違い

CADと似て非なる物があります。CAMやCAEを知っていますか?

CAM(キャム)とは、Computer Aided Manufacturingの略語で、CADなどで設計されたデータを基に、コンピュータで製品を加工・製造する工作機械の操作プログラムを作成するツールのことです。要するに、機械の動きをプログラムするために使用するツールです。

CAE(シーイーエー)とは、Computer Aided Engineeringの略語で、CADなどで設計されたものが適切かどうかを確認するためのシュミレーションツールです。不良箇所や異常などのトラブルを未然に防ぐために活用されています。

CADソフトには、機能としてCAD/CAMやCAD/CAEと書かれた製品がありますが、CAD/CAMであればCADとCAMの両方の機能を併せ持つソフトのことで、同様にCAD/CAEであればCADとCAEの両方の機能を併せ持つソフトということになります。

これらは主に製造業で使用されるので、建設業ではあまり聞き慣れないかもしれません。

CADの種類

CADの種類と言っても沢山の種類がありますが、どれが一番良いとかどれを選べが良いかは一概には言えません。おおよその比較項目は以下の様になるのではないでしょうか。

  • 2DCAD or 3DCAD
    • 3DCADが業務上必要なければ、2DCADで構いません。
    • 業務上必要もしくは業務の幅を広げるのであれば両方共導入しましょう。
  • 有料ソフト or 無料かソフト
    • 有料ソフトなら電話サポートや遠隔サポートしてくれるところもあります。
    • 無料ソフトでもよく使われているものであれば、調べれば解決方法が簡単に見つかります。
  • 建設業向け or 製造業向け or その他の業界向け
    • 業務内容に適したものを選びましょう。
    • 主要取引先に合わせたもの選びましょう。
  • 日本国内向けの製品 or 世界中で使用される製品
    • 海外企業発のCADソフトも沢山あります。最も認知度が高くシェア率が高いと思われるAutoCADシリーズは米国発のCADソフトです。やはり使用するなら世界共通のもののほうが海外進出しやすいのではないでしょうか。
  • 他の製品と連動できるか or 連動できない
    • 他企業と差別化を図るため、顧客の囲い込みを行うために、CAD以外のソフトやアプリと連動できるものがあります。業務内容に適したものを選択することで効率化を図ることができます。
  • 提供企業がCADソフトに力を入れている or 力を入れていない
    • 定期的なアップデートの有無や不具合の放置具合で判断できます。CADソフトはどれも汎用的な機能は備えているものの、操作方法が全くの別物です。途中で提供企業がサービスの終了を発表して乗り換えることになれば、別のCADソフトを一から覚え直すという悲惨なことになります。

経営者側の意見と技術者側の意見が必ずしも一致するとは限りません。メインで使用するのは技術者です。経営方針とか予算とかの問題もあると思いますが、導入ソフトによっては効率よく業務をこなせるようになり、結果的にコスト削減できる場合もあります。

CADを使う仕事

CADを使う仕事は主に、建築、土木、インテリア、福祉、測量、不動産、機械、電子機器、自動車、航空、家電、医療機器、アパレル、ジュエリー、アクセサリーなどが挙げられます。

CADを使った仕事の一連の流れは以下の様になります。

  1. CADで設計図を作成する仕事
  2. CADで設計図を確認する仕事
  3. CADで設計図を見てモノを作る仕事
  4. CADで設計図と完成したモノを見比べて確認する仕事

中には売る人や買う人の中にもCADを使う場合があるかもしれません。特にBtoBの売買であればCADデータの受け渡しをすることもあり得るでしょう。

この一連の流れの中では複数の企業が関連していて、規模が大きければ何百人何千人もの人が関係してくることもあります。CAD図面を頼りに何百人何千人の人たちがモノづくりをしていきます。

CADを使う業務といっても、業務の大半の時間をCAD操作に費やしている人もいれば、業務の一部にCADを使う場合がある人もいます。また、CADデータを紙に印刷するためだけにCADを使う人もいます。

設計士などの指示を受けCAD図面の作成や修正をすることを専門としたCADオペレーターや、CADの操作を教えるCADインストラクターといった職業もあります。また、公務員でもCADを使用する業務がある場合もあります。

CADオペレーターに関しては、一昔前までは設計する人が手書きで図面を書いて、それをCADオペレーターが図面をデータ化することが一般的でしたが、今は設計する人自身でCADを使って図面を書くことが当たり前の世の中になりつつあるので、CADオペレーター専門というだけでは肩身が狭いです。CADオペレーターとしてCADのスペシャリストになりつつ、専門知識をどんどん吸収して自分で設計できるようになることを目標にしないと、食べていくのに苦労するかもしれません。

CADを学ぶ方法

CADを学ぶ方法は主に3つです。

  • 独学で学ぶ
  • スクールやセミナーに通う
  • 職業訓練に通う

独学で学ぶ

CADを独学で学ぶ場合は、パソコンとCADソフトが必要になります。またCADソフトには沢山の種類があり、どれを学ぶかも決める必要があります。

何でもいいからCADを学びたいのであれば無料ソフトで構いませんが、次に行きたい会社が主に使っているCADが有料ソフトであったり、CADを深く学びたいのであれば有料ソフトで学ぶ必要があります。

どのCADを選ぶかは目標によって異なりますが、有料ソフトであればそれ相当の費用がかかります。種類によりますが年間数万円から〜数十万円のライセンス料が発生します。

また、CADにはパソコンを操作するだけではなく、業界の専門的な知識が求められます。普段仕事でCADを使っていてより深くまでCADを覚えたい場合は、最低限の知識があるものとして独学でもスキルアップすることが可能ですが、CADの知識と業界の知識がほとんどない状態では、独学で得るものは少ないでしょう。

独学で学ぶ際によく言われることが、モチベーションが維持できずに続かないということです。せっかく有料ソフトを購入しても、次第に使わなくなる可能性があります。本人のやる気次第ではありますが、相当の覚悟が必要になります。

自分の好きな時にいつでも学べることは最大のメリットと言えますが、対費用効果を考えるならスクールやセミナーなどへ通ったほうが、間違いなくスキルアップできると思われます。

スクールやセミナーなどに通う

全くの未経験であればスクールやセミナーで学ぶことをオススメします。CADの操作や図面の見方を事細かに教えてくれます。インストラクターの中には、過去にCADオペレーターなどのCAD扱う仕事をしていたことがある人もいるので、現場で経験した活きた知識が学べるでしょう。また、独学では中々手に入れることができない実際の図面データなどを見て参考にすることができ、今まで気付かなかった発見があるでしょう。

先程も言いましたが、CAD操作方法だけではなく業界の専門的な知識が必要になります。ただCADを覚えるだけではなく、CADと同時に専門知識を学ぶ姿勢が大事です。

職業訓練に通う

職業訓練には在職者を対象とした訓練と求職者を対象とした訓練があります。

在職者を対象した在職者訓練は、受講料は有料で期間が短いものが多いですが長期間実施している訓練もあります。

求職者を対象とした訓練には、公的職業訓練や求職者支援訓練があります。場合によっては失業保険を給付しながら3ヶ月〜6ヶ月の訓練を受講料無料で受けることができます。訓練の内容は多業種に及んでいてCADを学びたいのであれば、CADの知識とその業界の最低限の知識を同時に学ぶことができます。

CADの資格について

モノづくりの世界は、資格の有無よりも知識量と技術力がモノを言う世界です。とはいえ資格があるということは、それ相当の知識量と技術力があるとも言えます。就職・転職の際の重要なアピールとなるなりますので、まずは資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。

CADに限ったことではないのですが、この先の試験概要などで出てくる略語について説明しておきます。試験会場を表す言葉としてCBT方式やIBT方式といった略語が出てきます。

CBT方式

Computer Based Testingの略語で、受験者はCBT試験会場という場所に行き、そこでコンピュータに試験問題が映し出され、マウスやキーボードを操作して回答するシステムです。

株式会社CBT-Solutionsが運営しており、47都道府県内に300ヶ所以上のテストセンターを展開しています。

出題者側にもメリットがあり、CBTに必要な会場・試験官・試験運用・コールセンター・採点・データ管理などの試験に必要なすべてを総合委託でき、200団体以上が活用している近年話題の試験方式です。

IBT方式

Internet Based Testingの略語で、インターネットを接続できる環境で自宅から試験を受けることができるシステムのことです。逆に言えばインターネットを接続できる環境がなければ試験を受けることができません。

わざわざ試験会場に行かなく済みますが、厳正な試験ではなくなるので資格の価値は低めです。

CADの知識が問われる民間資格

建築CAD検定試験

建築CAD検定試験は、主に建設業向けのCAD資格です。

一般社団法人全国建築CAD連盟(AACL:「Architect CAD Certificate Examination」)が開催しています。

受験可能ソフトは、汎用CADであれば特に制限は設けられていません。一例としては以下のソフトが挙げられます。

  • Jw_cad
  • AutoCAD
  • AutoCADLT
  • Vectorworks
  • DRA-CAD

上記以外のCADソフトで受験する場合は、事前に問合せする必要があります。

受験方法は、一般受験と団体受験の2種から選択できます。階級は、准1級・2級・3級・4級の4階級ありますが、1級に関しては現在のところ存在しません。

試験概要

一般受験団体受験
試験日程年2回
①4月
②10月
※準1級は10月のみ
年4回
①4月
②7月
③10月
④1月
※準1級は10月のみ
合格発表①5月下旬
②11月下旬
①5月下旬
②8月下旬
③11月下旬
④2月下旬
試験時間受験者による指定は不可各団体が指定
試験場所受験者が希望会場を選択各団体が自らの施設で実施
申込方法インターネットでの申込みインターネットでの申込み
準1級2級3級4級
受験資格規定なし規定なし規定なし高校での団体受験のみ
試験方式実技試験実技試験実技試験実技試験
試験時間4時間10分5時間
2時間2時間
合格率約20%約55%約70%約90%
受験料14,700円10,500円10,500円3,150円

※2級と3級のみ併願申し込みが可能です。その場合は割引料金となり、合わせて16,800円で受験可能です。

受験方法

一般受験の場合は、下記①もしくは②を選択します。

①会場機器使用:試験会場設置のパソコンを使用して受験。
②パソコン持込:自分のノートパソコンを持込んで受験。

受験会場によって、設置されているCADソフトに違いがあったりパソコンの持ち込みが必須だったりしますので、申込時に確認が必要になります。

試験内容と合格基準

建築CAD検定試験准1級 

自らの建築製図知識とCADの経験を駆使したうえ、建造物の特性を理解した適切な判断によるトレースを行なってこれを完成させられるかが問われます。

試験時間4時間10分
試験方式実技試験
試験内容建築一般図を4面作成する。
※配置図、平面図、外構、基準階平面図、断面図など
合格基準4図面すべて完成
合格率約20%
能力の基準実社会で活躍するCAD技術者というレベルを超えた、他に比して秀でた知識と能力を持ち備えたCADのスペシャリスト
建築CAD検定試験2級

自らの持つ建築知識をもとに、CADシステムを使って建築図面を作成する実力を備えているかが問われます。

試験時間5時間
試験方式実技試験
試験内容建築一般図を2面作成する。
※ラフスケッチ(平面図)をもとに平面詳細図を完成させる。
※平面図、断面図、屋根伏図、透視図をもとに立面図を完成させる。など
合格基準250点満点中190点~200点が目安
合格率約55%
能力の基準実社会で求められる一般建築図を作図できるCAD技術者
建築CAD検定試験3級

与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかが問われます。

試験時間2時間
試験方式実技試験(問題数4題)
試験内容建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を作成する。
合格基準200点満点中 140点~150点が目安
合格率約70%
能力の基準実社会で求められるCADトレース技術者
建築CAD検定試験4級

※4級は高校による団体受験のみ実施

与えられた建築図面をCADシステムを使って正しくトレースする実力を備えているかが問われます。

試験時間2時間
試験方式実技試験(問題数3題)
試験内容建築図面の要素を取り出して作成した参考図をもとに、完成図を作成する。
合格基準200点満点中 130点~140点が目安
合格率約90%
能力の基準実社会で求められるCADトレース技術者

合格者には

合格者には、「氏名」・「認定級」・「認定番号」・「認定日」が明記されて、建築CAD検定試験合格者『認定証』が発行されます。(希望者のみ)

希望しない場合でも『WEB認定証』というシステムで、データとして保存しておくことが可能です。

詳しくは、公式ホームページ建設CAD検定試験でご確認ください。

2次元CAD利用技術者試験

2次元CAD利用技術者試験は、主に建設業と製造業向けの資格です。

一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP:「Association for Computer Skills Promotion」)が開催しています。

2次元CAD利用技術者試験は、以下の5種類に分類されます。

  • 2次元CAD利用技術者試験1級(機械)
  • 2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
  • 2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)
  • 2次元CAD利用技術者試験2級
  • 2次元CAD利用技術者試験基礎

1級の3科目は受験可能なCADソフトに決まりがありますので事前に確認しておく必要がなります。2級はCBT試験会場での実施となります。基礎はIBTシステムによる多肢選択および真偽方式です。

1級で使用可能な受験対象CADソフトは、以下のものであれば受験できます。

  1. オートデスク社のAutoCAD/AutoCAD LT/およびそれらに準ずるソフト
  2. JW_cad for Windows(※DOS版のJW_CADについては未確認)

別のCADソフトを使用したい場合は、以下の3つの基本条件を満たしたうえで、さらに「受験対象CAD判定サービス」で判定されたものであれば使用することができます。

  1. 画層(レイヤ)機能を有すること。
  2. DXFの入出力機能を有すること。
  3. 上記データ互換においてテキスト出力機能を有すること。
  4. 解答枠で用意するものと同じ形式・バージョンのDXFで出力できること(「2004」「2007」「2010」の3種類を提供)。

公式ホームページから、「受験対象CAD判定サービス」のページに行くことで確認できますので、必ず確認しておきましょう。

2次元CAD利用技術者試験の概要

1級
(建築/機械/トレース)
2級
(CBT方式)
基礎
(IBT方式)
受験資格①過去の1級有資格者
②2級有資格者
制限なし制限なし
試験日程年2回
①6月
②11月
随時随時
合格発表①8月中旬
②1月中旬
試験終了後、即時発表試験終了後、即時発表
試験方式実技試験
筆記試験(25問)
筆記試験(60問)筆記試験(50問)
試験時間10:00~11:20試験会場によって異なる制約なし
合格率建築
約40%
機械
約45%
トレース
約60%
約55%約75%
受験料16,500円
※過去の1級合格者は11,000円
6,050円4,400円

試験内容と合格基準

2次元CAD利用技術者試験1級(機械)
試験時間80分
試験方式実技試験+筆記試験(25問)
試験分野実技試験
機構部品の作図
適切な数値などからの作図
投影図からの作図
筆記試験
機械製図の知識
合格基準実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上
合格率約40%
2次元CAD利用技術者試験1級(建築)
試験時間80分
試験方式実技試験+筆記試験(25問)
試験分野実技試験
RC図
木造図
筆記試験
建築製図の基礎知識
建築生産の電子情報
合格基準実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上
合格率約45%
2次元CAD利用技術者試験1級(トレース)
試験時間80分
試験方式実技試験+筆記試験(25問)
CADシステムを使用した実技問題と専門知識を問う筆記問題
試験分野実技試験
編集・レイヤ設定能力
トレース能力
投影能力
筆記試験
製図の知識
合格基準実技試験・筆記試験が各5割以上、および総合が7割以上
合格率約60%
2次元CAD利用技術者試験2級
試験時間60分
試験方式筆記試験(60問)※CBTシステムによる多肢選択方式
試験分野出題比率
CADシステム:60%
製図:40%
合格基準CADシステム分野・製図分野が各5割以上、および総合が7割以上
合格率約55%
2次元CAD利用技術者試験基礎
試験時間50分
試験方式筆記試験(50問)※IBTシステムによる多肢選択および真偽方式
試験分野CADシステムの知識と利用
CADシステムのプラットフォーム
製図の知識
図形
合格基準総合7割以上
合格率約75%

詳しくは公式ホームページCAD利用技術者試験でご確認ください。

3次元CAD利用技術者試験

3次元CAD利用技術者試験は、主に製造業向けの資格です。

一般社団法人コンピュータ教育振興協会(ACSP:「Association for Computer Skills Promotion」)が開催しています。

3次元CAD利用技術者試験は、以下の3種類に分類されます。

  • 3次元CAD利用技術者試験1級
  • 3次元CAD利用技術者試験準1級
  • 3次元CAD利用技術者試験2級                                

1級の3科目は受験可能なCADソフトに決まりがありますので事前に確認しておく必要があります。2級はCBT試験会場での実施となります。

1級の受験に利用できるソフトは以下の通りとなっています。

使用推奨ソフト(バージョン)過去に使用されたソフト
CADmeister

CATIA V5

Cimatron

Creo Elements/Direct (旧CoCreate)

Creo Parametric (旧Pro/ENGINEER WF)

Fusion 360

iCAD MX

iCAD SX

Inventor

IRONCAD

NX

Shade3D Professional(Ver.18以降)

SOLIDWORKS

SQ CAD(旧図脳CAD3D)

ThinkDesign

Vectorworksシリーズ(バージョン2009以降/準1級のみ)
Alibre Design

AutoCAD(準1級のみ)

Autodesk Mechanical Desktop(2009までは検証)

BricsCAD

CADCEUS

Caelum XXen

COBALT 3D MODELING

DesignSpark Mechanical

GeomagicDesign(旧AlibreDesign Xpress)

I-DEAS

Mastercam

Micro CADAM

Micro CaelumⅡ

MicroStation

Onshape

Rhinoceros

Solid Edge

SpaceClaim

TOPsolid

ZW3D スタンダード

推奨以外のCADおよびバージョンを利用したい場合は、下記の2つの条件を満たすことを確認した上で、受験者の責任で使用することが可能です。

【条件1】作成モデルにおいて、「体積・表面積・重心・2点間距離」の数値測定が可能であること。
【条件2】サンプル問題を解き正解を導けること。また、特定数値において異常値を計測しないこと。

公式ホームページから、サンプル問題をダウンロードできますので必ず確認しておきましょう。

試験概要

1級/準1級2級
受験資格2級合格者
※1級受験の場合は準1級認定番号でも可
制限なし
試験日程年2回
①7月
②12月
随時
合格発表①8月下旬
②1月下旬
試験終了後、即時発表
試験方式実技試験筆記試験(60問)
試験時間10:00~12:00
13:30~15:30
試験会場によって異なる
合格率1級:約30%
準1級:約55%
約60%
受験料1級:16,500円
準1級:11,000円
7,700円

試験内容と合格基準

3次元CAD利用技術者試験1級
試験時間120分
試験方式実技試験
3次元CADソフトを使用したモデリング(パーツおよびアセンブリ)
作成したモデルの体積や表面積などを測定し、解答群の中からもっとも近い値を選択し、マークシートに記入
試験分野CADリテラシー、形状認識能力
アセンブリモデリング能力
2次元図面からのパーツモデリング能力
合格基準各分野5割以上、および総合7割以上
合格率約30%
3次元CAD利用技術者試験準1級
試験時間120分
試験方式実技試験
3次元CADソフトを使用したモデリング(パーツのみ)
作成したモデルの体積や表面積などを測定し、解答群の中からもっとも近い値を選択し、マークシートに記入
試験分野CADリテラシー、形状認識能力
2次元図面からのパーツモデリング能力
合格基準各分野5割以上、および総合7割以上
合格率約55%
3次元CAD利用技術者試験2級
試験時間60分
試験方式筆記試験(60問)※CBTシステムによる多肢選択方式
試験分野3次元CADの概念
3次元CADの機能と実用的モデリング手法
3次元CADデータの管理と周辺知識
3次元CADデータの活用
合格基準各分野5割以上、および総合7割以上の正解を合格基準とする
合格率約60%

詳しくは公式ホームページCAD利用技術者試験でご確認ください。

実務キャリア認定制度

実務キャリア認定制度は、主に建設業と製造業向けの資格です。

一般社団法人コステックエデュケーションが開催しており、資格の区分は以下の通りです。

  • TCADs
    • 機械部門
    • 建築部門
  • その他のCAD試験
    • 3次元CADトレーサー認定試験
    • 3次元CADアドミニストレーター認定試験
    • CADアドミニストレーター認定試験

TCADsの学科試験は会場のコンピュータを使用したCBT方式で解答し、実技試験は会場のコンピュータのCADシステムを使用して解答図面を作成します。

その他のCAD試験は、一般受験者は在宅試験で行い、試験会場に所属されている方は団体受験者となります。使用可能CADは、データ交換機能(DXF)を有していれば有償・無償を問われません。

TCADs

2次元CAD操作の技術や図面の理解力を、合否判定ではなくスコア制にて公正に評価する新しいユニバーサルスタンダード試験です。学科試験、実技試験の合計で990点満点となるスコア制で点数の認定を行います。

機械部門・建築部門との2部門で構成されており、どちらの部門も図面に関する知識を問う学科試験とCADによる図面作成能力を問う実技試験とで構成されています。

機械部門建築部門
受験資格制限なし制限なし
試験日程年2回
①9月
②2月
年2回
①9月
②2月
試験方式学科試験
実務試験
学科試験
実務試験
試験時間学科試験:40分
実務試験:100分
学科試験:40分
実務試験:100分
学科試験試験内容四肢選択方式
四肢選択方式
実技試験試験内容機械部品の組立図、部品図の作成建築物の平面図、断面図、立面図の作成
受験料11,550円11,550円

その他のCAD試験

試験会場は、一般受験者は在宅試験となるためインターネット環境が必要になります。

3次元CADトレーサー認定試験3次元CADアドミニストレーター認定試験CADアドミニストレーター認定試験
受験資格制限なし制限なし制限なし
試験日程年2回
①9月
②2月
年2回
①9月
②2月
年2回
①9月
②2月
合格発表①11月
②3月
①11月
②3月
①11月
②3月
試験方式実務試験
※事前課題あり
実務試験
※事前課題あり
実務試験
※事前課題なし
試験時間10:30~12:00
(90分)
10:30~12:00
(90分)
10:30~12:00
(90分)
受験料一般受験者:13,600円
学生割引:9,500円
一般受験者:10,500円
学生割引:6,300円
一般受験者:7,300円
学生割引:5,300円

詳しくは公式ホームページ実務キャリア認定制度でご確認ください。

CADデザインマスター

CADデザインマスターは、主に建設業界の建築系やインテリア系の知識が問われます。

日本デザインプランナー協会(JDP:「JAPAN Design Planner Association」)が開催しています。

世界標準CAD、AUTOCAD、JWCADを使いあらゆる場面(建築・機械・設備・電気・土木)業務の中でより的確に作図能力CAD技術を一定以上のレベルの知識を身につけ、これからの社会の姿を考えられる人材となることを目標とした検定試験です。

日本デザインプランナー協会より引用


受験方法は、在宅受験にて行われます。

CADデザインマスター
受験資格制限なし
試験日程年6回(2・4・6・8・10・12月)
試験内容杭伏せ図/基礎伏せ図/見上げ図/階段躯体図/平面図/平面詳細図/建築図などの一般的な知識が問われます。
合格基準70%以上の評価
受験料10,000円

詳しくは公式ホームページCADデザインマスター認定試験でご確認ください。

建築CADインストラクター

建築CADインストラクターは、主に建設業界の建築系やインテリア系の知識が問われます。

日本インストラクター技術協会(JDP:「Japan Instructor Association」)が開催しています。

建築CADにおける建築設計、建築施工図などを十分に理解したと捉えCADシステムを理解し、AutoCAD、JWCADいずれかの操作が実務において通用するレベルまで達した方へ認定されます。

資格取得後は、様々な知識を利用して講師活動ができます。

日本インストラクター技術協会より引用

受験方法は在宅受験で行い、試験期間中に解答し提出期限までに封筒で解答用紙を送るシステムとなっています。

建築CADインストラクター
受験資格制限なし
試験日程年6回(2・4・6・8・10・12月)
試験内容建築CADの基礎知識/施工図/基礎伏せ図/見上げ図/平面詳細図/建築図/用語/記号などの知識が問われます。
合格基準70%以上の評価
受験料10,000円

詳しくは公式ホームページ建築CADインストラクターでご確認ください。

3次元設計能力検定試験

3次元設計能力検定試験主に、3次元CADを使用する製造業向けの資格です。

特定非営利活動法人3次元設計能力検定協会が開催しています。

資格の区分は以下の通りです。

  • 3次元CADコース
    • 3次元CAD実技
  • 図面作成コース(全3科目)
    • 3次元CAD実技
    • JIS製図
    • 公差設計
  • プロ設計者コース(全8科目)
    • 3次元CAD実技
    • JIS製図
    • 公差設計
    • 機械材料
    • 強度設計
    • 要素設計
    • 信頼性設計
    • 加工法

複数の科目があるコースは、分割受験が可能です。

3次元CADのオペレーション能力とともに、3次元CADの活用につながる設計能力 の有無も含めて判定されます。コースに応じた設計者の能力をポイント評価することにより、『スコア証明書』が発行されます。各コースの全科目の得点が満点の60%以上の場合『合格証』が発行されます。

現在では「3次元CADコース」のみオンライン受験可能で、他の試験はオンライン試験移行準備中となっています。

3次元設計能力検定試験
受験資格制限なし
試験日程年2回
①5月
②11月
合格発表試験終了直後
試験方式筆記試験
実技試験
試験時間8:30~10:00 (90分間)3次元CAD実技
筆記試験
試験内容
○×式
選択式
記述式
実技試験
試験内容
事前課題の作成

事前課題で作成したデータより出題
合格基準全科目の得点が満点の60%以上の場合に『合格証』が発行されます。
受験料3次元CADコース:8,000円
図面作成コース:10,000円
プロ設計者コース:15,000円

詳しくは公式ホームページ3次元設計能力検定でご確認ください。

オートデスク認定資格

オートデスク認定資格は、業界を問わずCADを使用する全業界向けの資格です。

オートデスク認定試験センター(ACC)では試験を、オートデスク認定トレーニングセンター(ATC)では試験と試験の対策講座を実施しています。

オートデスク社のAutoCADは、世界で認知度が高く最も使用されていると思われます。日本でも2次元CAD及び3次元CAD共にシェアNo.1ではないでしょうか。

オートデスク認定は、以下のように区分されます。

  • オートデスク認定ユーザー
    • AutoCAD ユーザー試験
    • Revit Architecture ユーザー試験
    • Fusion 360 ユーザー試験

試験概要

試験の申し込みは、任意の試験会場に直接申し込み方式となっています。

AutoCAD ユーザー試験Fusion 360 ユーザー試験Fusion 360 ユーザー試験
受験推奨資格50時間以上の使用経験50時間以上の使用経験50時間以上の使用経験
試験日程随時随時随時
合格発表試験終了直後試験終了直後試験終了直後
試験方式選択式+実技操作選択式+実技操作実技操作
出題数30問30問30問
試験時間50分50分75分
合格基準正解率70%以上正解率73%以上正解率70%以上
受験料7,700円7,700円7,700円

詳しくは公式ホームページオートデスク認定資格プログラムでご確認ください。

Vectorworks操作技能認定試験

Vectorworks操作技能認定試験は、主に建設業向けの資格です。

CADソフト「Vectorworks」の操作技能の向上や社会ニーズに適った技能者の養成を目的としたエーアンドエー株式会社が主催し実施する操作技能認定試験です。

Vectorworks操作技能認定試験は、ベーシック認定試験のみの実施となります。マスター認定試験は2017年11月をもって終了となっています。

ベーシック認定試験はVectorworksが持つ2次元、3次元、ワークシート等の基本機能と、レンダリングの基本操作技能を取得していることを認定する試験です。

自宅で受験できるIBT形式で実施となりますので、時間や場所を問わずいつでも受験が可能です。受験終了後には即座に合否判定も行われます。

対象アプリケーションは以下の5種類で、対象バージョンは試験実施時点での現行バージョンから2世代前のバージョンを含む3バージョンとなります。

  • Vectorworks Designer
  • Vectorworks Architect
  • Vectorworks Landmark
  • Vectorworks Spotlight
  • Vectorworks Fundamentals
ベーシック認定試験
受験資格制限なし
試験日程随時
合格発表試験終了直後
試験方式全50問
○×選択
択一選択
Vectorworksを作図操作して設問を解答
試験時間50分
合格基準正答率が全体の7割以上
受験料一般受験:3,300円
OASIS加盟校:無料

合格した場合は、合格認定証のPDFデータがダウンロードできるサイトが表示されます。また正答率9割以上の優秀な成績で合格した場合は、上位認定として「アドバンス認定」の認定証カードが発行されます。

公式ホームページには、本試験と同様の受験画面で体験できるベーシック認定試験の体験版(15問/20分)があります。

詳しくは公式ホームページVectorworks操作技能認定試験でご確認ください。

SOLIDWORKS認定試験

SOLIDWORKS認定試験は、主に製造業向けのCAD資格です。

ダッソー・システムズ・ソリッドワークス(Dassault Systèmes SolidWorks Corporation)が主催する認定技術者試験です。CADソフト「SOLIDWORKS」は、3次元CAD業界では多くのシェアを獲得しています。

SOLIDWORKS認定試験では、3次元CADモデリング、設計構想、持続可能な設計などの SOLIDWORKS の専門知識を持っていることの証明であり、企業が求める最先端のスキルに匹敵します。ご自身のスキルを全世界で証明し、将来のキャリアに活かすことが可能です。

Dassault Systèmes SolidWorks Corporationより引用
  • CSWA:Certified SOLIDWORKS Associate(Mechanical Design)
    • 初級試験
  • CSWA-E:Certified SOLIDWORKS Simulation Associate – Electrical
    • SOLIDWORKS Electrical ツール、電気工学全般に関する初級試験
  • CSWA-S:Certified SOLIDWORKS Simulation Associate - FEA
    • SOLIDWORKS Simulation ツール、解析全般に関する初級試験(英語のみ)
  • CSDA:Certified SOLIDWORKS Design Associate
    • Sustainability に関する初級試験
  • CSWA-Additive Manufacturing:Certified SOLIDWORKS Additive Manufacturing
    • 3D プリンティングに関する基礎試験
  • CSWP:Certified SOLIDWORKS Professional(Mechanical Design)
    • 上級試験
  • CSWP-CAM:Certified SOLIDWORKS Professional - CAM
    • SOLIDWORKS CAM ツール、CAM 全般に関する上級試験
  • CSWP-S:Certified SOLIDWORKS Simulation Professional - FEA
    • SOLIDWORKS Simulation ツール、解析全般に関する上級試験
  • CSWP-MBD:Certified SOLIDWORKS Professional - MBD
    • SOLIDWORKS MBD に関する上級試験 
  • CSWP-Advanced:Certified SOLIDWORKS Professional - Advanced(上級専門試験)
    • CSWPA - Sheet Metal(板金)
    • CSWPA - Weldments(溶接)
    • CSWPA - Surfacing(サーフェスモデリング)
    • CSWPA - Mold Making(金型)
    • CSWPA - Drawing Tools(図面)
  • CSWE:Certified SOLIDWORKS Expert(最上級試験)
    • CSWP + CSWP Advanced の中から 4つ以上の試験に合格していること
  • CSWE-S:Certified SOLIDWORKS Expert - Simulation
    • SOLIDWORKS Simulation に関する最上級試験
  • 3DEXPERIENCE:Collaborative Business Innovator
    • 3DEXPERIENCE プラットフォームに関する基礎試験
  • TECE:Technology Educator Competency Exam
    • SOLIDWORKS に関する技術用語の試験(教職員向け)

認定試験は、上記の様にたくさんの種類がありますので、自分のスキルやレベルに適した試験を選択できます。

詳しくは公式ホームページSOLIDWORKS 認定試験でご確認ください。

CADの知識が問われる技能検定(国家検定)

CADの知識が問われる国家検定は2種類あります。中央職業能力開発協会が実施しています。

  • テクニカルイラストレーション技能士
    • 1級・2級・3級
  • 機械・プラント製図技能士
    • 1級・2級・3級

どちらもCAD専門の知識というわけではなく、専門知識が問われる中でCADの知識も問われることになるので取得の難易度は高いです。

試験日程は前期と後期に区分されています。

前期後期
  受検申請受付4月上旬~4月中旬10月上旬~10月中旬
  実技試験6月中旬~9月上旬
※3級は6月中旬~8月中旬
12月上旬~2月中旬
  学科試験7月上旬~9月上旬 1月中旬~2月中旬
  合格発表9月下旬
※3級は8月下旬
3月中旬

受検資格は検定職種ごとに検定職種に関する実務経験が必要ですが、職業訓練歴・学歴等により短縮される場合があります。

受検手数料は、検定職種ごとに各都道府県において定められています。

受検資格受検手数料(標準金額)
  1級 ①実務経験7年以上
②2級合格後2年以上
③3級合格後4年以上の実務経験
※職業訓練歴・学歴等により異なる
実技試験18,200円
学科試験3,100円
  2級 ①実務経験2年以上
②3級合格者
※職業訓練歴・学歴等により異なる
実技試験18,200円
学科試験3,100円
※2級・3級及び35歳未満は「若年者に対する減免措置」により最大9,000円引き
  3級 制限なし実技試験18,200円
学科試験3,100円
※2級・3級及び35歳未満は「若年者に対する減免措置」により最大9,000円引き

テクニカルイラストレーション技能士

試験日程や受検資格、受検手数料については前述の通りです。

テクニカルイラストレーション技能士は、主に製造業向けの資格です。

1級/2級3級
試験方式実技試験+学科試験実技試験+学科試験
試験時間実技試験
1級:4時間30分
2級:3時間30分
3級:2時間
学科試験
1級:1時間40分
2級:1時間40分
3級:1時間
実技試験
2時間
学科試験
1時間
実技試験内容<選択科目>
1.テクニカルイラストレーション手書き作業
立体図の作図
2.テクニカルイラストレーションCAD作業
CADによる立体図の作成

CADシステムの管理

ファイル及びデータの取扱
同左
学科試験内容1.製図
製図に関する日本産業/投影法/用器画法/製図用器具の種類及び使用方法/製図用紙の種類及び規格
2.立体法
立体図の種類、特徴及び用途/立体図の複製の方法
3.関連基礎知識
機械の基礎知識/材料の基礎知識/電気の基礎知識
4.立体図作成法
立体図の作図方法/スケッチ
5.CAD
CADに関する知識
1.製図
製図に関する日本産業/投影法/製図用器具の種類及び使用方法/製図用紙の種類及び規格
2.立体法
立体図の種類、特徴及び用途
3.立体図作成法
立体図の作図方法/スケッチ
4.CAD
CADに関する知識
合格基準実技試験:60%以上
学科試験:65%以上
同左
合格率1級:約25%
2級:約30%
3級:約50%

詳しくは厚生労働省ホームページ技能検定制度についてでご確認ください。

機械・プラント製図技能士

試験日程や受検資格、受検手数料については前述の通りです。

機械・プラント製図技能士は、主に製造業向けの資格です。

1級/2級3級
試験方式実技試験+学科試験実技試験+学科試験
試験時間1級
実技:5時間
学科:1時間40分
2級
実技:5時間
学科:1時間40分
実技:3時間
学科:1時間
実技試験内容<選択科目>
1.機械製図手書き作業
部品図の作成/強度計算(1級のみ)/性能計算(1級のみ)/組立図の作成/部品の選定/類似設計(1級のみ)
2.機械製図CAD作業
CADによる部品図の作成/強度計算(1級のみ)/性能計算(1級のみ)/CADによる組立図の作成/部品の選定/類似設計(1級のみ)/CADシステムの管理/ファイル及びデータの取扱い及び管理
3.プラント配管製図作業
配管計画図の作成/配管図の作成/配管サポート図の作成(1級のみ)
<選択科目>
1.機械製図手書き作業
部品図の作成/組立図の作成
2.機械製図CAD作業
CADによる部品図の作成/CADによる組立図の作成/CADシステムの管理/ファイル及びデータの取扱い及び管理
学科試験内容<必須科目>
1.製図一般
製図に関する日本産業規格/製図用器具の種類及び使用方法/用器画法
2.材 料
金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途/金属材料の熱処理
3.材料力学一般
荷重、応力及びひずみ/はりのせん断力図及び曲げモーメント図/はり及び軸における断面の形状と強さとの関係/圧力容器/熱応力
4.溶接一般
溶接作業
5.関連基礎知識
力学の基礎知識/流体の基礎知識/熱の基礎知識/電気の基礎知識/表面処理の基礎知識/腐食及び防食の基礎知識

<選択科目>
イ.機械製図法
機械製図法に関する日本産業規格/機械の主要構成要素の種類、規格、形状及び用途/加工法/工作機械の種類及び用途/測定及び試験/原動機等の種類及び用途/電気機械器具の使用方法/電気・電子部品の使用方法/CADに関する知識
ロ.プラント配管製図法
プラント配管製図に関する日本産業規格その他の規格/プラント配管図の種類及び作図法/プラントのプロセス及び計装に関する基礎知識/プラントを構成する設備及び装置の種類、構造、機能及び特徴/プラント配管用材料の種類、規格、性質及び用途/プラント配管設計法/プラント配管施工法/プラント配管の試験及び検査/プラント配管関連法規
<必須科目>
1.製図一般
製図に関する日本産業規格/製図用器具の種類及び使用方法/用器画法
2.材 料
金属材料及び非金属材料の種類、性質及び用途/金属材料の熱処理
3.材料力学一般
荷重、応力及びひずみ/はりのせん断力図及び曲げモーメント図/はり及び軸における断面の形状と強さとの関係
4.溶接一般
溶接作業
5.関連基礎知識
力学の基礎知識/流体の基礎知識/熱の基礎知識/電気の基礎知識/表面処理の基礎知識/腐食及び防食の基礎知識
6.機械製図法
機械製図法に関する日本産業規格/機械の主要構成要素の種類、規格、形状及び用途/加工法/工作機械の種類及び用途/測定及び試験/原動機等の種類及び用途/電気機械器具の使用方法/電気・電子部品の使用方法/CADに関する知識
合格基準実技:60%以上
学科:65%以上
同左
合格率1級:約25%
2級:約30%
約50%

詳しくは厚生労働省ホームページ技能検定制度についてでご確認ください。

CADの話(実体験)

以前は、CADのスペシャリストとまでは言えないものの、CADを毎日のように扱う仕事をしていました。合計で5種類ほどのCADを使用しましたが、一番の苦労は操作方法を覚えることですね。マウスのクリック操作すらもまともできないほどソフトによって違いあるので、慣れるまでは苦労します。

ある操作がしたいのにコマンドがどこにあるのかわからなかったり、こういった機能があると楽になるのになって思って検索してみると、やり方を発見することもしばしばありました。

基本的には2DCADしか使ったことはありませんが、一度だけ3DCADが必要になった時があるんです。仕方がないのでフリーソフトをインストールしました。全部英語で書かれているし寸法もインチで表示されるしで、なんとか作図しましたけど、あれはもう大変でしたね。

CADを覚えた方法は、仕事中に使いながら覚えただけです。わざわざ講習に行ったり、独学で学ぼうとは思いませんでした。あくまでも仕事に必要なスキルだから、仕事の時間中に覚えながらやるっていうスタンスです。でもどうにも忙しくて家で図面を作ったこともありますけど、これはスキルアップしようとかの目標があったわけではありません。図面を作らなきゃいけなかったから作っただけです。

でもそんなのは嫌ですよね。CADは好きだけど忙しいのは嫌いです。

CAD使ってみて楽しいって思えたり、現場よりCADのほうが好きって思うならCADの仕事もいいですが、肩こり、腰痛、目の疲れ、手首の疲れが職業病です。どんどん新しい専門知識とCADの操作方法を学んでいく体力も必要です。定年まで続けられるのかな?って思うほど楽な仕事ではないです。

あと集中力も大事ですね。作った図面を基にモノづくりが行われるので、図面のミスとか許されないです。実際には、作ってから自分でも確認するし他の人も確認するけど、現場猫の要領で作った人が確認してるからヨシ!って流されがちで、後から図面のミスが発覚することもよくあります。まぁこれは、どの業界にも言えた話なんでしょうが。

ちょっと手の込んだ図面を作ろうとすると1週間くらいすぐに経っちゃいます。黙々と作業するのが得意な人とかに向いていると思います。

ただCADを学んでも、普段の生活で役に立つことが一つもないです。役に立ったことがある人もいるのでしょうが、少なくとも私にはありません。悲しいスキルです。

この先のIT時代を生き抜くには、3DCADのスキルを身につけるのもアリかなと思っています。どうせやるなら世界で通用する3DCADスキルを身につけたいものですね!

目次