オーケーサイン(👌)は、親指と人差し指で輪を作り、中指、薬指、小指を立てたハンドサインである。「わかりました」などのように、何かの物事に対する「承認」や「同意」を示すこともあれば、「大丈夫」「順調」などの意味も示すこともできる。
他にもまだ使い道がある。例えば日本を含めた一部の国では「お金」を示すハンドサインとしても使用される。これは親指と人差し指で作られた輪の形が硬貨を連想させることが由来とされるのだが、あまり綺麗な表現方法ではないと言える。なぜなら賄賂などの汚いお金を表す隠語としての意味合いが強くあるからだ。
他には「数字の0」を示すこともできるが、これも同様に見たままの形からそのまま連想できることに由来している。
👌👌🏻👌🏼👌🏽👌🏾👌🏿 |
オーケーサイン (OK sign) |
大仏の手の形
さて話は変わるが、大仏には印相と呼ばれる5つの手の形があるのだが、その中でもオーケーサインによく似た手の形をしたものが2つある。1つは説法印(別名:転法輪印)と呼ばれるものなのだが、これはお釈迦様が説法するときのポーズとされている。そしてもう1つは来迎印(別名:摂取不捨印)と呼ばれるポーズだ。これは阿弥陀如来特有の印相とされ、阿弥陀仏が極楽浄土から迎えに来るときのポーズとされている。
ヨガのポーズ
オーケーサインに似たポーズはヨガにも使用される。ヨガでは手のひらを下に向けたときはチンムドラやジュラムドラと呼ばれるポーズになるのだが、意味合いとしては「結合と循環」だ。親指と人差し指を結合することで、エネルギーが外部に放出されずに体内で循環されるとされるポーズである。
オーケーサインの起源
オーケーサインの起源は、親指と人差し指でできた輪が「O」、他の立てた指が「K」に見えることが名前の由来の一つともされているが、様々な説あるため一概に正解はない。というわけで有力な説をいくつか紹介する。
最も有力だとされる説が、"all correct"のスペルミスで"oll korrect"と記載した、とある記事が始まりだというものだ。というのも、当時アメリカではスペルミスを言葉遊びとして楽しむ文化があったそうで、あえてスペルミスした記事を出版したことより庶民の間に広く浸透したとされている。
次に有力だとされる説は、当時アメリカの民主党のマーティン・ヴァン・ビューレン大統領の再選を支援するために使用されたのが始まりだというものだ。マーティン・ヴァン・ビューレンにはオールド・キンダーフック(Old Kinderhook)というニックネームがあり、その頭文字からOKキャンペーンとして使用されたことに始まるとされている。
他の説としては、"0 kill"が由来となった説だ。これは、第二次世界大戦中に死者がいなかったことを報告するために使用されたフレーズなのだが、数字の"0"をアルファベット"O"に見立て、次第にOKに変化していったものが定着したとされている。
今回挙げた例以外にも様々な説があり真相は定かでない。OKの起源には多くの諸説が存在しているのだ。
古代ギリシャにおけるオーケーサインの意味
オーケーサインの歴史は古代ギリシャまで遡るのだが、現在と意味合いが異なっている。古代ギリシャでは愛情を表現するハンドサインだったとされているのだ。というのも、親指と人差し指の形がキスをする唇のように見えるから愛情を表現するハンドサインとして使用されていたとされている。
オーケーサインをネガティブな意味で捉える文化もある
オーケーサインは国際的に使用されるハンドサインであるが、一部の地域ではネガティブな意味合いとして捉える文化もあることを知っておく必要がある。ただし一言にネガティブと言ってもその意味合いは様々である。
例としては、親指と人差し指で作った輪を女性器と見立てセックスの象徴とするサインであったり、また肛門に見立てることで同性愛を象徴するサインにもなる。
他には、親指と人差し指で作った輪をゼロと見立てることで価値がないという意味で使用されたりもする。また、悪魔の目と見立てることで邪視を意味するサインにもなる。
このように地域によって様々な解釈がなされるため、あまり知らない文化圏では安易に使用することだけは絶対に避けなければならない。
差別的なサインとして使用されることも
近年、そして一部の地域では、白人至上主義のシンボルとして使用されることもある。立てた3本の指が「W」を表し、親指と人差し指で作った輪が「P」を表すことで「White Power」、つまり「白人の力」を表しているという主張に由来している。