【サングラス】レンズの種類と効果、どのサングラスを使えばいいの?

サングラスのレンズにはいくつかの種類とそれぞれ異なる効果があります。サングラスを使いたいシーンは人それぞれですが、どういったシーンで使いたいのかを明確にし、レンズの種類やその効果を理解することで状況に適したサングラスを見つけることができます。

例えば、釣りやドライブ、サイクリングなどの屋外では、眩しさを軽減するためにサングラスを使用すると思いますが、ギラついた強い日差しには『偏光レンズ』が適しているといえます。また、強い日差しを苦手とする体質である場合、しばらくの間強い光を目に浴び続けることで頭痛を引き起こすこともあり、特に夏季においては頭痛薬を欠かすことができない方もいます。もちろん日差しだけが頭痛の原因ではありませんが、夏季の頭痛対策のひとつとして、偏光レンズは一役買ってくれることでしょう。
偏光レンズとは?

屋外でサングラスをしていても屋内に入れば視界が悪くなるためサングラスを外したくなります。しかし、外したら外したで置き場に困りますし、置いたら置いたで盗難や紛失のおそれがあります。だからといってずっと手に持ったままでは邪魔になりますし破損の原因にもなります。特に屋外と屋内を行き来することが多くなると、もはやサングラスの存在自体が邪魔だと感じてしまうかもしれません。しかし、そんな場面でも困らないレンズがあるのです。『調光レンズ』あるいは『跳ね上げ式レンズ』のサングラスであれば、屋外と屋内を行き来してもサングラスの取り扱いにそれほど困ることはありません
調光レンズとは?
跳ね上げ式レンズとは?

普段メガネをしている方、あるいは運転中だけメガネをする方でも使用できるサングラスがあります。『オーバーグラス』や『クリップオンサングラス』であればメガネをしたままでも使用することができます
オーバーグラスとは?
クリップオンサングラスとは?

紫外線は目や肌に対して悪影響を与えるとされています。それを保護できるアイテムのひとつとしてサングラスが挙げられるのですが、サングラスでは視界が暗くなりすぎるため好き好んで使用しない方もおられることでしょう。また、使用したいと思っていても職場では禁止されている、あるいは禁止されていないけど使うのに気が引けるといったことも考えられます。ですので、そういう状況ではレンズの濃度が薄い『カラーレンズ』のサングラスを使用してみてはいかがでしょうか。
カラーレンズとは?

目次

レンズに設定された性能

サングラスを使用するうえで、気にするべきレンズの性能は主に3つです。

  • 可視光線透過率
  • 偏光度
  • UVカット率・UV透過率

可視光線透過率とは?

サングラスには可視光線透過率が設定されています。なお、可視光線というのは人の目に光として認識できる波長のことで、簡単に言えば「光」のことを指します。つまり可視光線透過率とはサングラスがどれだけ光を通すのかを割合で表したものです。

可視光線透過率が0%に近づくほど光を通さず、100%に近づくほど光を通すことになります。極端に言えば、0%では視界が真っ暗となり、100%であればサングラスとしての性能には一切期待できないといったところでしょうか。

ところで、可視光線透過率で特に注意すべきは自動車の運転です。自動車のフロントガラスと運転席および助手席の窓ガラスにはスモークの可視光線透過率が定められています。

運転者が交通状況を確認するために必要な視野の範囲に係る部分における可視光線の透過率が 70%以上のものであること。

国土交通省ホームページ
道路運送車両の保安基準(2024年3月29日現在)第29条(窓ガラス)
道路運送車両の保安基準の細目を定める告示第195条第3項2より

上記は自動車のスモークが視野性を妨げ事故の危険が高まるからこそある条文ですが、運転中にサングラスを使用することも同様に視野性を妨げることなります。ゆえに運転に使用するサングラスは可視光線透過率を重視したものを選ぶ必要がありますが、一般に運転におけるサングラスの可視光線透過率は20〜30%が適しているとされています。

偏光度とは?

偏光度とは、水面などの凸凹したところで発生する乱反射をどれだけの割合でカットするかということです。要するに偏光度が90%であれば乱反射の90%を遮断するということです。このように偏光度は数値が高ければ高いほどギラつく乱反射を遮断する効果が大きくなりますが、一方で偏光度が高くなるほど可視光線透過率が低くなり視野性が悪くなるといった関係が成り立ちます。

偏光度99%乱反射をほとんど遮ることができる
レンズが可視光線を透過しにくくなり視野性が悪くなる
偏光度60%乱反射をそれなりに遮ることができる
レンズが可視光線を透過しやすくなり視野性が良くなる

なお、消費者丁の家庭用品品質表示法では、サングラスを以下のように定義しています。

  • 一般屋外における強烈な太陽光線等に対する目の保護のために使われるもの、又はファッションの一つのアイテムとして着用するもの。
  • 視力補正用のものを除く。
消費者庁ホームページサングラスの定義より

さらにここから、サングラス・偏光サングラス・ファッション用グラスの3種に分類しており、偏光サングラスを以下のように定義しています。

サングラスの項に掲げる区分に該当するもののうち、次のイ及びロに該当するもの

  • 《イ》偏光度が90%以上であるもの
  • 《ロ》偏光軸のずれが15度以下であるもの
消費者庁ホームページサングラスの定義より

偏光サングラスの定義のひとつに「偏光度が90%以上であるもの」とありますが、一概に偏光度が高ければ高いほど使いやすいとは限りません。しかし乱反射は視界の見にくさや目の疲れを助長するとされていることから、サングラスの偏光度は60%〜99%が望ましいとされています。

紫外線カット率・紫外線透過率とは?

紫外線カット率はどれだけの割合で紫外線をカットするのかを表しており、紫外線透過率はどれだけの割合で紫外線を透過するのかを表しています。このように、紫外線カット率と紫外線透過率は、意味と数値が逆になります。なお、紫外線はUVと略されることもあり、紫外線をカットすることをUVカットと表すこともできます。

紫外線をカットするサングラスの性能として、「UV400」、「UVカット率」、「UV透過率」といった表示がありますが、この意味を知るにはまず紫外線とは何かを知る必要があります。

まず、日本では虹の色は7色と考えるのが一般的で、順番としては紫、藍、青、緑、黄、橙、赤となります。これらの色は波長の違いにより区別されて認識されているわけですが、紫外線と赤外線も併せて、波長を数値で表すと以下のようになります。

紫外線:10nm〜400nm
紫:380nm〜430nm
藍:430nm〜460nm
青:460nm〜500nm
緑:500nm〜570nm
黄:570nm〜610nm
橙:590nm〜610nm
赤:610nm〜780nm
赤外線:780nm〜1mm

この紫、藍、青、緑、黄、橙、赤の380nm〜780nmの範囲が人間の視認することができ、それを可視光線と呼ばれます。そして、紫から外側の波長を紫外線、赤から外側の波長を赤外線と呼ぶのです。

余談ですが、紫外線はUV-A・UV-B・UV-Cの3つに分類でき、それぞれの波長は以下のようになります。

UV-A :315-400nm
UV-B :280-315nm
UV-C :100-280nm

と、このように紫外線とは何かをなんとなく理解していただいたところで、サングラスの紫外線に関する性能として表記されている「UV400」、「UVカット率」、「UV透過率」は以下のようになります。

UV400

UV400は、400nmより短い波長をカットする性能を有するということです。紫外線は10nm〜400nmですので、ほぼ100%の紫外線をカットするということになります。

UVカット率

UVカット率99%と表示されていれば、紫外線を99%カットするという意味になります。

UV透過率

UV透過率が1%であれば1%だけ紫外線を透過するということになるので、紫外線を99%カットすると同義です。

仕事でも使える!『UV100%カットのクリアサングラス』

クリアサングラスとは透明なレンズをしたサングラスです。一見するとただのメガネに見えますが、紫外線をカットする効果を持っています。

このサングラスの性能はUV420となっており、紫外線を100%カットするため紫外線の影響による目と肌へのダメージを軽減します。また、透明のレンズなのでプライベートでも職場でも気軽に使用することができます。

紫外線カット率100%

偏光レンズとは?

偏光レンズとは、可視光線の乱反射を遮断するレンズのことをいいます。可視光線というのは人の目に光として認識できる波長のことで、簡単に言えば「光」のことを指します。また、乱反射とは可視光線が水面のような表面が凸凹したところで発生する「反射して散乱した光」のことを指します。そして、この乱反射を遮断することができるレンズを偏光レンズというのです。

つまり、偏光レンズとは反射していない可視光線を透過させ、乱反射した可視光線を遮断する特性があるのです。これにより、サングラスをしていても視界を暗くしすぎないため、ある程度の視界を確保できるというわけです。逆に偏光機能の付いていないレンズでは可視光線と乱反射のどちらも遮断してしまうので常に視界が暗くなってしまいます。

なお、他に偏光レンズが使用されているものとして代表的なものにはカメラがあります。PLフィルターやC-PLフィルターといい、乱反射した光が写真や映像から取り除かれるので鮮やかに撮影できます。

釣りやドライブに最適!『偏光サングラス

水面やガラスなどギラつく光が多い屋外では、乱反射を遮断する偏光サングラスがおすすめです。釣り、ドライブ、サイクリング、スキー、スノボーなど始め、屋外でのレジャー・アクティビティ全般に適しています。

可視光線透過率18%
偏光度99%
紫外線カット率99.9%

調光レンズとは?

調光レンズとは、紫外線に反応してレンズの濃度が変化するレンズのことをいいます。紫外線とは可視光線の波長のうち、紫色より外側の光のことを指し、主に太陽から放射されているのですが、電灯などからも微量の紫外線が放射されています。

調光レンズの特徴としては、紫外線が強ければレンズの濃度が濃くなり、紫外線が弱ければレンズの濃度が薄くなることが挙げられます。しかし、紫外線量が急に変化しても、レンズの濃度がすぐに変化するわけではなく、変化するのにおよそ数秒から数十秒の時間を要します。

なお、調光レンズには以下のデメリットがあります。

調光レンズのデメリット
  1. カラー濃度が変化する機能は寿命が短く、3年程度で買い替える必要がある
  2. 調光レンズは熱に弱く、気温が30度以上になると効果が薄れる
  3. カラー濃度が変化するには、おおよそ数秒から数十秒の時差が生じる

ところで、ドライブにおいて断続的にトンネルがある道路では調光レンズが大活躍するのではと考えた方もいると思いますが、実はそうではありません。というのも、一般に自動車の窓ガラスには紫外線をカットする素材が使用されているため、車内にはほとんど紫外線が入ってきていないのです。つまり、車内では調光レンズは利点を全くもって活かすことができないということになります。

屋外と屋内の行き来に最適!『偏光調光サングラス

偏光調光サングラスは、乱反射を遮断する偏光レンズと、紫外線量の変化でレンズの濃度が変化する調光レンズの2つの利点を併せ持つサングラスです。屋外から屋内へ移動しても視界を暗くしすぎないため、わざわざ着脱の必要もありません。屋外だけでなく屋内で使用しても大活躍間違いでしょう。

可視光線透過率30%〜15%
偏光度99%
紫外線カット率99.9%

跳ね上げ式サングラスとは?

跳ね上げ式サングラスとは、レンズ部分を跳ね上げることができるサングラスのことをいいます。跳ね上げ式老眼鏡を誰もが一度は目にしたことがあると思いますが、そのサングラスバージョンということです。サングラスが不要なときは跳ね上げておくだけで済むことが最大のメリットといえるでしょう。

片手が塞がっていてももう片方の手で跳ね上げるという動作ひとつで着脱できますので使い勝手は抜群ですが、一部の方には見た目がダサいと思われるかもしれないということはデメリットともいえます。

跳ね上げ式とオーバーグラスのハイブリッド!『跳ね上げ偏光オーバーグラス

跳ね上げ偏光オーバーグラスは、メガネの上から掛けられるオーバーグラスでありながら、跳ね上げる機能も併せ持ち、さらには偏光機能も付いているという便利な3wayサングラスです。

スモーク偏光レンズ

可視光線透過率15%
紫外線カット率99%以上

グリーン偏光レンズ

可視光線透過率10%
紫外線カット率99%以上

オーバーグラスとは?

オーバーグラスとは、メガネをしたままでもその上からかけることが出来るサングラスのことをいいます。普段使いのメガネに被せるようにして使用するので、普段使いのメガネを無駄なく利用できることは嬉しいポイントです。メガネとサングラスの両方を使いたいときに、度付きサングラスを使用する手もありますが、サングラスだけが不要なときにすぐに外すことができることを考えるとオーバーグラスのほうが利便性が高いといえるでしょう。なお、オーバーグラスを選ぶ際は、普段使いのメガネのフレームサイズよりも大きめのものを選ぶ必要があります。

普段はメガネをしているけれど、運転の時だけサングラスをかけたい方に最適!『偏光オーバーグラス

普段はメガネをしているけれど、運転の時だけサングラスをかけたいという方にオススメなのが偏光オーバーグラスです。偏光機能が付いているので運転中の不快なギラつく光を遮断してくれます。

可視光線透過率17%
偏光度99.94%
紫外線カット率99.9%
ブルーライトカット率66%
普段はメガネをしている方で、屋外と屋内の行き来が多い方に最適!『偏光調光オーバーグラス

偏光調光オーバーグラスは、メガネの上から掛けられるオーバーグラスでありながら、偏光機能と調光機能を併せ持つ便利な3wayサングラスです。普段はメガネをしている方で、屋外と屋内の行き来が多い場面で大活躍してくれることでしょう。

可視光線透過率30%〜6%
偏光度98%以上
紫外線カット率99.9%
ブルーライトカット率73%〜93%

クリップオンサングラスとは?

クリップオンサングラスとは、メガネにクリップで取り付けることができるサングラスのことをいいます。普段使いのメガネにクリップで取り付けることができるためメガネを新調する必要はありません。なお、クリップではなくマグネットで吸着するタイプもありますが、これはメガネとレンズをセットで販売されているものです。

なお、クリップオンサングラスのレンズサイズは、普段使いのメガネのフレームサイズと同程度のものにしないと不格好になってしまうので、購入前のサイズ確認は必須です。

普段使いのメガネに取り付けることができる!『クリップオン跳ね上げ式偏光サングラス

クリップオン跳ね上げ式偏光サングラスは、普段使いのメガネに容易に取り付け・取り外しができるクリップオンサングラスと、サングラスを必要としないときに跳ね上げておくことができる跳ね上げ式サングラスの利点を併せ持つサングラスです。さらに偏光機能も併せ持った便利な3wayサングラスです。

可視光線透過率39%
紫外線カット率99.9%以上

カラーレンズとは?

カラーレンズとは、サングラスのように黒色や茶色といった暗い色調ではなく、赤・青・緑のような比較的明るい色調のレンズのことをいいます。その明るい色調のレンズを使用したサングラスをカラーサングラスといいますが、カラーサングラスには、はっきりとした明るい色調の物もあれば、ほんのりとした薄い色調の物もあります。

濃度の濃いサングラスは相手に怖い印象を与えることがあるため、職場での使用はあまり好ましくありません。しかし、目と肌を守るためにできればサングラスを使用したいと思うこともあります。そんなときは、ほんのりとした薄い色調のカラーサングラスが適しているといえるでしょう。黒色や茶色のサングラスほどではありませんが、ギラつく不快な光や紫外線を十分に遮断してくれます。

職場でも使える!『カラー濃度の薄いサングラス
eight tokyo(エイトトウキョウ)

このサングラスは、紫外線だけでなく近赤外線をカットする効果もあります。また、長時間のデスクワークで目に悪いとされるブルーライトをカットする効果もあるため、屋内外問わずいつでもどこでも使用することができます。

可視光線透過率77%
紫外線カット率99.9%
ブルーライトカット率43%
近赤外線カット率46%
オシャレに最適!『カラーサングラス
Maui Jim(マウイジム)

このサングラスのレンズは偏光レンズとなっているためギラつく不快な光を遮断します。また、紫外線を100%カットするため屋外での使用に適しています。

はっきりとした明るい色調のカラーサングラスなのでオシャレに着飾ることができます。また、Maui Jimはハワイ生まれの人気のブランドなので、ネームバリューとしても申し分ありません。

偏光度99.9%
紫外線カット率100%

番外編!サングラスやメガネに使える便利グッズ『ピタリング』

メガネをかけていて困ることのひとつにメガネがずり落ちるということがあります。特に汗をかきやすい夏場においては、下を向くだけでメガネがズレるということが多々あります。酷いときには少し動くだけでメガネが落下するということもあるでしょう。しかしピタリングを使用すれば安心です。たとえどんなに激しくに動いてもメガネがズレることはありません。

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