欧州連合(EU)の歴史

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欧州共同体(EC)創立前

機関名略称活動年
欧州石炭鉄鋼共同体
(European Coal and Steel Community)
ECSC1952 – 2002
欧州経済共同体
(European Economic Community)
EEC1958 – 2009
欧州原子力共同体
(European Atomic Community)
EURATOM1958 – 現在

欧州石炭鉄鋼共同体(European Coal and Steel Community)

1950年5月9日、フランスの外務大臣ロベール・シューマンがフランスと西ドイツの石炭及び鉄鋼産業を共同で管理し、関税を撤廃することをまとめた声明を出したことが創立のきっかけとなった機関が欧州石炭鉄鋼共同体である。この声明はシューマン宣言と呼ばれ、シューマン宣言に基づき1951年のパリ条約を経て、1952年に欧州石炭鉄鋼共同体が創立された。2002年にパリ条約が失効したことで、欧州石炭鉄鋼共同体の活動や資源は欧州共同体に受け継がれることになったが、こういった経緯から現在では5月9日はヨーロッパーデー(別名:シューマンの日)として、創立を記念する祝日と定められている。

欧州経済共同体(European Economic Community)

1957年のローマ条約に基づき1958年に創立された機関が欧州経済共同体である。欧州経済共同体は加盟国間の平和と自由を維持すること、そしてより密接な経済統合を促進することを主たる目的として創立された。その後1965年のブリュッセル条約に基づき1967年に欧州石炭鉄鋼共同体と欧州原子力共同体の2機関を吸収統合する形で欧州の経済統合を先導した。その後1993年に欧州共同体へと改称され、その活動内容を引き継いでいく。

欧州原子力共同体(European Atomic Community)

欧州原子力共同体は欧州経済共同体と同様に、1957年のローマ条約に基づき1958年に創立された。ヨーロッパのエネルギー不足や石炭の枯渇懸念を解消するために、石炭エネルギーに代わって原子力エネルギーを安定的に供給することを目的とし、原子力分野での加盟国間の協力関係の強化を図った。後に欧州経済共同体に吸収統合され、欧州共同体へと改称していくことになり、更には欧州連合へと継承されていくのだが、法的には現在でも独立して存在している機関である。

欧州共同体(EC)の創立

機関名略称活動年
欧州共同体
(European Community)
EC1993 - 2009

欧州共同体は1992年のマーストリヒト条約に基づき1993年に創立されたのだが、その活動内容は1967年に欧州石炭鉄鋼共同体と欧州原子力共同体の2機関を吸収統合した欧州経済共同体を引き継ぐものとなった。なお欧州経済共同体の知名度から、欧州経済共同体が欧州石炭鉄鋼共同体と欧州原子力共同体の2機関を吸収統合した1967年時点が欧州共同体の創立との見方もある。欧州共同体はその後、2009年12月のリスボン条約に基づき廃止され、その活動内容を欧州連合が受け継ぐことになる。

欧州連合(EU)の創立

機関名略称活動年
欧州連合
(European Union)
EU1993 - 現在

1992年のマーストリヒト条約に基づき1993年に欧州連合が創立された。ただし、同時に欧州共同体も創立されており法制定以外の実権は欧州共同体が握っていた。2007年のリスボン条約に基づき2009年に欧州共同体が廃止されたことで、欧州連合は欧州共同体の地位を継承し現在に至る。

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